蹴球探訪
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【首都スポ】高校野球 通信制躍進の今夏 日本ウェルネス、甲子園出場のクラークに続け2016年8月31日 紙面から
今夏の甲子園には、通信制のクラーク(北北海道)が創部3年目で初出場したが、東京でも通信制高校が躍進している。日本ウェルネスが、この夏の東東京大会でベスト16入り。昨夏の大会で初勝利を挙げて、今春はベスト16で、夏はシード校として戦った。ベンチ入りメンバーのほとんどが残る新チームは9月3日に開幕する秋季東京都大会1次予選突破、そして10月の本大会での上位進出を目指す。 創部6年目。学園の副理事長で野球部の責任教師でもある柴岡信一郎さんと同じ日大OBの美斉津忠也監督(40)が就任して3年目。この秋の新チームは、青森山田監督も経験した美斉津監督から指導を受けたくて入学してきた選手たちが最上級生になる。新主将の並木海弥内野手(2年)が入学したときは夏の大会未勝利だった。「中学のときのチームのコーチが紹介してくれて練習を見に来た。美斉津監督に教えてもらえば、自分も伸びるし、チームも強くなると思った」 通信制といっても、野球部員の日常生活は、全日制と変わらない。月曜日から金曜日までは毎日学校に通い、午前中は授業を受ける。板橋区成増にある東京キャンパスには校庭もないため、昼食をはさんで、清瀬市内の公営グラウンドに移動。午後1時半ごろから4時間ほど全体練習。通信制として一般にイメージされているのは、自宅で学習して定期的にスクーリング(通学)するシステム。そういう生徒ももちろんいるが、野球部にはいない。 「通信制というと色メガネで見られがち。学校生活をまともにやってないんじゃないかとか、金髪とかピアスとか…アウトロー的にとらえられているかもしれない。私も来てみて、あまりにフツーなのでびっくりしました」と美斉津監督。野球部員のほとんどが、大学進学も目指して入学してくる。ほかの高校での生活になじめなくて転入してくる選手は少数派。ここでは友人関係などの環境も変わり、学校生活にもなじんでいる。 強くなったのも不思議ではない。美斉津監督の指導は、甲子園常連の青森山田のときと同じ。「できるか、できないかの違いはあるが、教えていること、向いている方向は同じ。ただ、青森山田と違って、ここは中学ではレギュラーでなかった子も多い。勝つことで人として自信を持たせたい」。就任したとき7人しかいなかった部員たちの目標は「1勝したい」だった。昨夏、初勝利を挙げた後には、それが「甲子園に行きたい」に変わった。強化指定クラブになって、県外出身の生徒も集まるようになって力もついてきた。 その先輩たちは、3年となった今夏、帝京との5回戦で1−4で力負けしたが、6回までは0−1の接戦。レギュラーで抜けたのは2人だけ。帝京戦で好投した右腕の西川大成ら投手3人も残っている。並木主将は「もっともっとレベルを上げて、秋はベスト16を超えるベスト8、春にベスト4、最後の夏は優勝できるようにしたい」と力強い。秋の戦いは11日の中堅私学の城北戦から始まる。 (小原栄二) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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