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【ゴルフ】

笠りつ子が今季2勝目 イ・ボミにPO連勝

2016年8月29日 紙面から

1億円の札束画像を携帯の待ち受け画面にしている笠りつ子=小樽CCで(神代雅夫撮影)

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◇ニトリ・レディス<最終日>

▽28日、北海道小樽市・小樽CC(6494ヤード、パー72)▽天候・晴れ、22・1度、東北東2・6メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽64選手(うちアマ2人)▽観衆4377人

 首位と3打差の5位からスタートした笠りつ子(28)=京セラ=が69で回り、通算7アンダーで並んだイ・ボミ(韓国)とのプレーオフに突入。2ホール目にバーディーを決め、2週前のNEC軽井沢72ゴルフ以来の今季2勝目、ツアー通算5勝目を飾った。賞金ランクでも2位に浮上し、“ボミ・キラー”として残りシーズンの戦いが注目される。1打差の6アンダー3位に全美貞(ジョン・ミジョン、韓国)、5アンダー4位に渡辺彩香(22)=大東建託=と鈴木愛(22)=セールスフォース=が入った。

◆2ホール目決着

 プレーオフ(PO)にめっぽう強いイ・ボミに、笠がまたも土をつけた。ここまでPO9戦8勝のイ・ボミに唯一苦杯をなめさせたのが、昨年3月のアクサレディスでの笠だった。それ以来となったイ・ボミとの一騎打ち。2ホール目、残り98ヤードの第2打をピン左奥2メートルにつけると、微妙なスライスラインを自信を持って沈め、勝った。表彰式を終えても興奮はなかなか収まらない。小走りで自ら拍手しながら優勝者会見の席に着いた。

 「(正規ラウンドの)18番グリーンに来て初めて(順位表を)見たら、2打差のトップ。けど、ボミが17番でバーディーを取ったと分かった時、『あ〜、プレーオフか』と思った」。昨今のイ・ボミの圧倒的な強さの前に萎縮する選手も多いが「ボミだから全部入れてくる。そう思って臨んでいる。だけど、今回はボミがどうこうじゃなくコースとの戦い。今日も1ホールでも多くコースに勝ちたいと思ってスタートしたので、それを貫いた」と胸を張った。

◆飛距離で成長!!

 ドライバーショットがまず曲がらない。そのうえ飛ぶ。「トレーニング(の成果)と自分にピッタリ合うクラブを使っていることで飛距離は伸びていますね」。加えて「いろんなことを難しく考えない。それが得意です」という性格が奏功している。「4月に熊本地震を経験して、今は一日一日ゴルフができることに幸せを感じている。今日あるものが明日もあることが当たり前じゃないって思うようになったから」とも語った。

 自己目標に掲げている「年間獲得賞金1億円突破」にも残り910万円余に迫った。「私、2年ほど前から携帯電話の待ち受け画面を1億円の(札束の)画像にしてるんです。強い気持ちで達成したいと思います」と自らを鼓舞する“イメトレ”もバッチリだ。

 8月28日は5年前のこの大会で悲願のツアー初優勝を遂げた記念日。「何かいい日になるんじゃないかなと思っていた。忘れられない日だな〜って思いながら」とほほ笑んだ。 (月橋文美)

<笠りつ子(りゅう・りつこ)> 1987(昭和62)年11月4日、熊本県菊池郡生まれの28歳。160センチ、58キロ。実家がゴルフ練習場を経営する環境で9歳からクラブを握り、父・清也さんがコーチを務めていた坂田塾に入塾。熊本・東海大二高(現東海大熊本星翔高)1年時の2003年九州女子アマで史上最年少V達成。06年のプロテストに一発合格。11年8月のニトリレディスでプロ初Vを飾り、これまでツアー通算5勝。趣味は買い物と読書。

 

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