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「手頃で便利」惜しむ声 大津パルコ、来年営業終了

営業譲渡されることが決まった大津パルコ=大津市打出浜で

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 二十年近くにわたって大津市中心部で営業してきた大津パルコ(大津市打出浜)が、来年八月末に営業を終了することが決まった。建物を取得する不動産会社は商業施設として続ける意向だが「パルコ」の名前が消えることに市民から惜しむ声も上がった。

 「オープン当初は、平日でもパルコに向かう人であふれていた」と懐かしむのは、パルコに近いJR膳所駅前で菓子店を営む山田友信さん(45)。「五年ほど前から人通りが少なくなってきたと感じていた。非常に残念です」と惜しむ。

 長女真子ちゃん(1つ)と週一回は来店するという大津市中央四の主婦渡辺直子さん(34)は営業終了の報に絶句。「手頃な子ども服をよく買いに来ていた。ベビーカートも一階にあって便利だったのに」と残念がった。

 市中心部では、最近平和堂や西友が相次いで閉店したこともあり、不満の声も。月に一、二回ほどパルコに買い物に訪れるという主婦(52)は「県庁所在地なら便利なはずなのに、どんどん住みにくくなっている」と言う。

 行政や経済界からはにぎわいを絶やさないよう求める声が上がった。市商工労働政策課の藤元美則課長は「周辺の市町からも人が集まる地域。パルコに来ていたような若いお客さんが、引き続き来られるような店になれば」と期待する。

 大津商工会議所の村田省三専務理事は「歴代の店長さんには商議所の活動に関わっていただいた」と残念がった。後継の商業施設には「地域の発展を目指してやってくれることを期待している」と話した。

 パルコ(東京)によると、大津パルコは赤字ではないものの、収益が徐々に低下していたという。

 取得するアーク不動産(大阪市中央区)の担当者は「JR駅に近い都市部にあり、商業施設としての魅力を感じる立地だ」と強調。「地域に密着した商業施設にしていきたい。出店の継続を希望するテナントもあると聞いており、施設の詳細を検討していきたい」と話している。

 県中小企業支援課によると、現店舗面積の一割以上か一千平方メートル以上の増床をする場合は、新しい商業施設がオープンする八カ月前までに県に届け出る必要があるが、今のところ届け出はないという。

 (角雄紀)

 

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