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 東京都八王子市の傷害事件で男性2人が誤認起訴された問題で、このうち貿易会社経営の男性(39)が31日、不当に拘束された98日分の刑事補償金122万5千円を国が支払うよう、東京地裁立川支部に請求した。もう1人の不動産会社経営の男性(47)も、同様に請求を検討している。

 刑事補償法は、捜査機関から不当に身柄を拘束された場合について、国に1日あたり1千~1万2500円を請求できると規定。額は裁判所が決める。

 代理人の弁護士によると、男性は「一貫して無罪を主張したが、警察官も検察官も犯人と断定して向き合おうとしてくれなかった」と主張。勾留中、長期間家族とやりとりができなかったほか、経営する会社の顧客が離れるなど「多大な損害を受けた」として、上限額を求めた。男性は取材に「ようやく以前の生活に戻りつつあるが、警察官やパトカーを見かけると拘置所にいた苦痛の日々を思い出す」と話した。

 男性は2014年1月の事件で今年3月30日に警視庁八王子署に逮捕された。東京地検立川支部が起訴したが、男性らは犯人ではなかったとして、7月21日に起訴を取り消した。(藤原学思)