先日NHKのニュース内 で、「子どもの貧困」と特集したコーナーに貧困に悩む女子高生が実名で登場した件が大炎上した上に延焼しています。
この女子高生さんは、子供の貧困問題を議論する会合でスピーチをするなど、しっかりした人です。しかし、放送中に写った自宅に物がたくさんあったり、ツイッターで普段の生活をツイートした所、漫画本を買っていたり、コンサートにいっていたことがわかり、ネット民から「本当は貧乏じゃないんじゃないの?」と責められて、個人情報を晒されるなどの嫌がらせにあっています。その上国会議員の片山さつき氏までしゃしゃり出てきて、NHKに「あの子貧乏なの??」と質問するという状況になっています。
さらに、リベラル系ニュースサイト『リテラ』で有名な株式会社サイゾーが運営する『Business Journal』が、NHKはこの女子高生が貧困だという捏造の放送をしているという記事を掲載したものの、取材もせず事実関係を確認しておらず、さらにはNHKの発言を捏造しました、という凄いことになっており、さらなるガソリンを注入しています。
英語圏だったら、NHKや女子高生本人に、名誉毀損等で訴訟を起こされて、多額の賠償金で弁護士は大喜びでしょう。
そういえば先日、アメリカのゴシップメディア『Gawker.com』が名誉毀損で訴訟を起こされて閉鎖されることになりましたが、 『Business Journal』様は謝れば何とかなると思っているのでしょうか。ゴメンで済んだら裁判所も警察もいりません。
まず、「取材の映像でも、少女の部屋はモノで溢れており、エアコンがないと言っているにもかかわらず女子高生の部屋にはエアコンらしきものがしっかりと映っている」と報じましたが、実際には、女子高生の部屋にはエアコンはなく、取材の映像にエアコンらしきものがしっかり写っているという事実も確認できませんでした。
当該記事は外部の契約記者が執筆したものであり、NHKに取材をして回答を入手したと記述しておりましたが、実際には回答を入手しておらず、当編集部も確認を怠った責任があります。
当該記事では、「今回の疑惑に対しNHKに問い合わせのメールをしてみたところ、「NHKとしては、厳正な取材をして、家計が苦しく生活が厳しいという現状であることは間違いないと、担当者から報告を受けています。ですので、ネット等に関しましては、取材の範囲ではありません。但しご意見は担当者に伝えます」との回答を得た」と報じましたが、実際には、弊社はNHKに取材しておらず、回答は架空のものでした
出所 お詫びと訂正
突っ込みどころが多すぎてなんといっていいかわかりませんが、まずはじめに、NHKがこういう問題を取り上げたのはとても良いことだと思いました。
極東のど田舎の農村である日本では、男根型の大根が取れました、中年アイドルが解散します、といった明るい農村的なニュースが多く、シビアな話は嫌がられますから、たまにはこういう試みも良いでしょう。
次に、この女子高生が、実名で番組に登場し、会合で若い人の貧困問題を訴えたのも素晴らしいことだと思いました。
そもそも日本ではこうやって自分の意見をいう人はほとんどおりません。若い人だけではなくオトナだって言いたいことを言わない。なぜならエエカッコシイだからです。
思ってはいても、反論されたり突っ込まれたり目立つのが怖いので、発言しないチキン野郎の集まりが日本人です。
そして後になってグチャグチャ不平不満を居酒屋でぶち撒けて、ネットに匿名で書き込みするのです。
こんなWanker(意味はご自分でお調べ下さい)だから、 ロシアのセクシー美女と付き合うには、札束で顔をはたくしかないのです。世界でモテるには 、俺は俺だと言える人間でなければダメです。チキン野郎は子供扱いされて終了です。
しかしこの女子高生は、こんなに若いのに、自分の意見を持っており、それを、スピーチする能力があります。その辺の中年サラリーマンより肝っ玉が座っており、しっかりしています。考え方を文章化して他人様に伝えるというのは、相当な知力がなければ無理です。ネットで愚痴を履いているオタンチン様のサラリーマンの殆どには、そんな肝っ玉も思考能力もないんでしょう。
三番目。恐ろしいと感じたのは、国会議員の片山さつき氏が、この騒動に乗り込んできて、NHKと女子高生叩きに参加したことです。
皆さんご存知時の通り、片山氏は親が学者という 恵まれた家庭に育ち、日本の最高学府をトップの成績で出て、官庁のトップである財務省の官僚をやり、回転寿司が大好きな舛添氏と結婚し、国会議員として大活躍している、日本のエリートのトップ中のトップの人材です。
そういう人が、単なる一般人の、しかも子供である女子高生叩きに参加し、その根拠が、ネットに転がっていた憶測や嫌がらせだった、しかも、事実確認も何もしていないというところに、大変な恐怖を感じました。
そもそも、この女子高生の件は、ニュース で少々放送されただけで、 世の中に影響があるようなことではありません。
法律が間違っていました、政治家や役人が税金を無駄使いしました、役人が年金の運用に失敗してお金がなくなりました、原発が爆発しました、株式市場がひっくり返りました、北朝鮮が攻撃してきました、そんなことに比べたら重要度が恐ろしく低いのです。
普通のオトナだったら、こんなことにはまず興味をもたないでしょう。 国会議員であり、人件費単価が高く、国民の生活に多大な影響をおよぼす事柄を議論することに時間を費やさなければならない片山氏が、こんなことに時間を使っているのは、どう考えても狂っています。
日本の最高学府を出るような人達や、官僚になる人達というのは、費用対効果や優先順位が理解できない脳の構造をしているようです。一度優秀なプロジェクトマネージャに弟子入りしてデスマの管理でもやってみたらどうでしょうか?
さらに不思議なのは「やんごとなき階層」出身の片山氏には、ノブレス・オブリージュ的なものがまったくないことです。通常、こういう階層の人達というのは、幼少の頃から「やんごとなき人」のシツケを受けています。
運良く金持ちに生まれ、コネや機会に恵まれたのだから、義務を果たしましょう、立派な人になりましょう、我慢しましょう、社会に奉仕しましょう、というシツケです。
ノブレス・オブリージュなシツケ的には、自分より恵まれていない階層を叩くのはあり得ないことです。なぜならフェアではないからです。自分が教育を受けられたり、良い仕事にありつけたのは、実家の支援や生まれた場所も関係ある、つまり運でありますから、たまたま運のなかった人を叩くのは、畜生道です。
やるべきことは、どうしたら荘園の収穫量が増えるか、近隣諸国との争いを避けるか、使用人は楽しく暮らしているか、そういうことを考えたり仕切ったりすることであります。
病気の者、老いたもの、特に子供を叩くというのあり得ないことです。子供は領地の資産でありますから、領地の民全員で育てるものです。子供がいなくなったら収穫してくれる人、家畜の世話をしてくれる人がいなくなるのです。すなわち国力の低下です。
金八先生の有名なセリフに人間という言葉は「人と人の間と書く」というのがあります。人間とは群れを作る生き物であり、これは、人間だけではなく、類人猿や鳥類、犬などにも共通する行動様式です。
生物は群れを作って助け合うことで、お互いを外的から守り、寒冷地では寄り添って暖を取り、一緒に狩りをし、餌を探し、時には群れの他の仲間の子供の面倒を見ます。
このように群れを作る際に重要なのが「エンパシー」です。「エンパシー」とは日本語では「共感」と訳されます。「エンパシー」の語源は古代ギリシャ語のempatheiaです。他人の心を想像し、理解することで、お互いの絆を強めます。それが生存に繋がるのです。イルカやチンパンジーも「エンパシー」を持っています。
「エンパシー」はリーダーになるような人間には必須です。なぜなら、経営方針や政策を決めるのには、他人の心や状況を想像できる力が必要だからです。有権者の求めることを理解するには「エンパシー」が必要です。他人の心を読めない人間はリーダーにはなれません。悲しませたら付いてきてくれないのです。人間は感情の生き物です。
ですから、イギリスの私立学校では、詰め込み教育をやるのではなく、僻地での冒険、登山、植林、スポーツ、文学、詩、演劇、慰問、ボランティアなどに力を入れています。そういう活動から、他人の心を想像する力、協力すること、情緒などが育つからです。夏休みの宿題はありません。夏は徹底的に遊ぶのです。遊びから他人を理解する心が生まれます。
「エンパシー」は計算問題や、穴埋め問題をやることでは絶対に身につきません。木を植えるために辛抱強く荒れ地を耕すこと、近隣の人や同級生と協力して塀を建てることで身につくのです。「やんごとなき人」はガリ勉では務まらないのです。
しかし、どうも最近の日本のエリートというのは、片山氏の様に「エンパシー」の欠けた人達が多いようです。幼少時から延々と計算問題や穴埋めクイズをやり、人様を蹴落とすことしか学ばなかったのでしょう彼らにとっては運の悪かった人達は競争に落ちぶれた民ですから、自分が面倒を見る対象でもなんでもありません。
こういう人達が年金、介護、医療、原発、金融政策、そういうことを決めています。だから、障碍者の手当は削減され、介護の自己負担は増え、保育所は増えないのです。配偶者控除だって削減です。ブラック企業は制裁を受けず、非正規と正規社員の格差は放置されています。
原発問題は何がどうなっているのか、よくわかりません。冷凍すると言っていたのにそれは無理だと今になって言う。外国ではメルトダウンですと最初から言っていたのにそれは違いますと何年もいって、今になって実はそうでしたとシャアシャアという。なぜ地震の多いところに原発を作るのか、誰も明確に回答しません。
現実はシン・ガッジーラの様に美しくはいきません。真っ先に逃げ出すのは政治家と役人です。