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【社会】

「平和の俳句」9月分選考 阿川佐和子さん「次世代に伝える力ある」

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 九月の「平和の俳句」は金子兜太さん(96)、いとうせいこうさん(55)とともに作家でエッセイストの阿川佐和子さん(62)が選んだ。「選評を書くのはすごく大変でした」と振り返る。

 選考では「戦時中にまつわる句を読むとたまらない気持ちになった。実体験に引き込まれました」と言う。「戦後十年以内に生まれ、親や周囲から話を聞いた世代」。小学校には「特攻隊の生き残り」の先生がいた。父で作家の故阿川弘之さんは元海軍大尉。その故郷広島で、原爆のケロイドが残る人にも会った。

 「窓を開けられるのは平和」という内容の作品に、阿川さんは「戦争の時は空襲警報が鳴って自宅の庭に掘った穴に逃げ込む日常があった。若い人には分からないだろうな」と語る。

 「感覚の違いがどんどん深くなる中で、戦争体験の俳句を読むと『そうだったんだ』と気付かされる。平和の俳句には、記憶が薄れていく次世代に伝える力があるって思いましたね」 

 

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