9月1日は、子どもの自死リスクが、1年で一番高まる日だ。夏休み明け、いじめなどに悩む子ども達は、学校が始まるプレッシャーで追い詰められやすい。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
「学校に行きたくない」。そう悩む相手に少しでも手を差し伸べようと、自らもいじめられ、不登校になった経験を持つ子たちが、ビデオメッセージを作った。
動画は、こう、語りかける。
「そんな風に思うあなたは、おかしくなんかないんだよ」
ビデオを作成したのは、フリースクール「東京シューレ」に通う高校生世代以上の子どもたち。「学校に行くことは義務じゃない」と題されたビデオを通じ、自分たちの経験をもとに考えた文言を、男女5人が呼びかける。
「自分がいづらいと感じる場所に、無理にいつづけなくていいよ」
「もし学校に行くのが怖くなったりしたら、まずは休んでみてほしい」
「あなたと同じ考えを持つ人は、目に見えないようで、実はたくさんいるんだ」
「見た人が聞きやすい、受け止めやすい、スッと心に入ってくるような文言を考えました」。そう語るのは角田匠さん(17)。自らも中学時代、同級生や先輩にいじめられ、不登校になった経験がある。
「そういうことで悩んでいる人は、たくさんいます。選択肢は学校に行くこと、一つだけじゃない。同じ人もいるんだよと、ほかの方法もあるんだよと、伝えたかった」
同じように動画でメッセージを読み上げた木下わか菜さん(19)も「一人でも多くの人に届けばいいな」と言う。自身は小学校2年生からからかわれたり、避けられたりするいじめを受け、小学校卒業を機にシューレが運営する学校に移った。
「私もずっと学校に行きたくなくて、つらかった。動画を見た人が、心が軽くなって、同じような思いをした人がいるんだなって分かってもらえれば」
動画が公開されたのは8月18日。このタイミングにしたのには、理由がある。夏休み明けは、子ども達の自死リスクが、1年で一番高まるからだ。
昨年、内閣府が発表した「自殺対策白書」。過去約40年間の18歳以下の自殺者数を日別に見たデータによると、9月1日が131人と突出している。年平均(49.4人)の3倍近い。
白書は、その理由を次のように指摘する。
「長期休業の休み明けの直後は、児童生徒にとって生活環境等が大きくかわる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすい」
実際、動画の撮影に携わった鶴岡直さん(16)は「夏休み明けは、いつも以上に学校に行く気になれない。気持ちも重くなって」と話す。
「久々に会ったとか、宿題が終わっていないとか、ちっちゃい理由だけでいじめられる。みんなのテンションが上がっているから、その輪に入るだけで標的になるんです」
小中学校にかけ、暴言暴力を振るわれ、中学2年生からシューレに通うようになった経験があるからこそ、わかることだ。
最前線でアメリカの戦争を戦う女性たち
2011年、アメリカ軍では女性の戦闘参加は禁止されていましたが、この年、初の女性の特殊部隊がアフガニスタンの前線に派遣されました。地域住民と信頼関係を作り戦争を終結させるための試みでした。記者のゲイル・ゼマク・レモンが、軍務における長年のタプーを打ち破った特別な女性兵士の集団を描き出します。
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