蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【ゴルフ】遼、7年ぶり2度目の完全V ツアー14勝目、2位と5打差2016年8月29日 紙面から
◇RIZAP・KBCオーガスタ<最終日>▽28日、福岡県糸島市、芥屋ゴルフ倶楽部(7151ヤード、パー72)▽雨、気温24・4度、北3・5メートル▽賞金総額1億円、優勝2000万円▽68選手(アマチュア1人)▽観衆3009人 腰痛による長期離脱から復帰2戦目の石川遼(24)=カシオ=が、2009年サンクロレラ・クラシック以来、7年ぶり2度目の完全優勝を達成した。悪天候で中断がある中、5バーディー、2ボギーの69で回り、通算15アンダーで2位に5打差をつけて圧勝。昨年12月の日本シリーズJT杯以来、ツアー通算14勝目を飾った。10月開幕の米ツアーへ、そして完全復活へ、大きな一歩を踏み出した。2位は通算10アンダーの高山忠洋(38)=スターツ=ら3人だった。 独り旅が一転。石川はもろく、崩れそうだった。10番でボギーをたたき、続く11番の1打目は右に曲げ、球は芝のないベアグラウンドへ落ちた。ため息を漏らした直後、ホーンが鳴った。雷雲接近と豪雨のため約3時間、クラブハウスで待機を余儀なくされた。石川にとっては恵みの中断だった。 「(続行していれば)ドタバタしていたと思う。悪い流れを断ち切れて、本当にラッキー。気持ちが切り替わった」 張り詰めた集中と緊張を、あえて解いた。レストランへ向かい、鯛(たい)茶漬けを3杯も平らげた。家族やスタッフと談笑すると、いつもの平常心を取り戻すことができた。 再開直後。残り165ヤードの2打目で、「最高のショットが打てた」。ピンチをパーでしのぐと、続く12番パー3では4メートルのフックラインを沈めてバーディー奪取。再加速して、そのまま上り詰めた。 原点に立ち返り、攻めた。ショットが乱れようとも、安全策ではなく、ピンを狙った。フェアウエーキープ率は21・43%(58位)と相変わらず低調だったが、「結果を出そうとするんじゃくて、体が大丈夫なんだと100%信じたい試合だった。だから、思い切って攻めていかないといけなかった」。その思いだけでクラブを振った。敵はわれにあり−。5打差の圧勝劇にも、「気がついたら、(後続と)差が離れていた」。ケガに、己に打ち勝った価値は大きい。 今年2月に故障後、周囲には言えぬ不安を抱えていた。「ゴルフができない自分は、自分じゃあない。何やってるんだろうな…」。支えてくれたのは温かな家族、愛犬、そして、今年3月に結婚した妻だった。 「(妻は)いつもポジティブな人。ぼくとしては、非常に感謝している」 ただ、終わってしまえば、満足感も充足感もない。「まだ上に行かないといけない。もっと上を目指していかないといけない」。完全復活に向け、石川が大きな一歩を踏み出した。 (松岡祐司) PR情報
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