夜、何度もトイレに起きる男は早死にする!?
急増する「男性更年期」の権威が警告
堀江重郎先生に「男の頻尿」について聞く(撮影:梅谷 秀司)
「最近おしっこが近くなってきた」「夜中にトイレでたびたび起きる」
こんな会話をする中高年男性が、あなたの周りにいるのではないだろうか。ひょっとしたら、あなた自身も思い当たるのでは……。
「年だからしょうがない」とあきらめている人が多いが、「頻尿」は、いま話題の男性更年期とも大きな関係があり「寿命」にも直結する深刻な問題なのだという。
『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』を上梓し、前回“男性更年期とうつ”について説明してもらった堀江重郎先生に、男の頻尿の問題点と対処法について聞いた。
夜間頻尿のある人は要注意
――夜間、何度もトイレに起きる男性が多いようですね。
統計によると日本人男性の場合、50歳以上になると、夜中に1回以上トイレに起きる人が半分以上を占めるとされます。さらに70歳以上では、1回以上トイレに起きる人が大半を占めるそうです。
しかも70歳以上の場合、男性の3割、女性の1割が、夜中に3回以上トイレに起きているのです。
夜中に1、2回起きるだけでも眠りが中断されて、翌日ぼんやりしたり、眠気がさしたりします。3回ともなると、かなりつらいでしょう。
――「トイレに行くことが多いほど寿命が短い傾向がある」というデータがあるようですね。
70歳以上のグループを追跡調査した研究があります。それによると、4年以内に、6人に1人が亡くなっていました。ところが、「夜中にトイレのために3回以上起きる」という人たちの場合は、4年以内に亡くなる割合が3人に1人でした。
つまり夜間頻尿のある人は、そうでない人に比べて、2倍も多く亡くなっているのです。
これは大変なことです。「たかがおしっこ」と済まさずに、きちんと頻尿に向き合うことが大事です。