2016年08月31日 09時00分 UPDATE
特集/連載

「佐賀県情報漏えい事件」で再考する学校セキュリティ【前編】17歳少年が不正アクセス 佐賀県教育システム「SEI-Net」を責められない理由 (1/2)

佐賀県で発生した17歳の少年による教育情報システムへの不正アクセス事件。生徒の成績などの情報漏えいを招いたこの事件は、教育機関のIT活用にどのような影響を与えるのか。

[森 無礼,著]

関連キーワード

教育 | 教育IT | タブレット


 佐賀県教育委員会は2016年6月27日、不正アクセスによって生徒や保護者、教職員の個人情報、成績関連情報などが外部へ流出したと発表した。同教委の発表では、流出した情報の中には9589人分の個人情報が含まれていたという。報道されている情報をまとめると、一定レベルのシステムとハッキングに関する知識や技術を持つ17歳の少年が、校内LANやシステムへ不正アクセスし、その中で上記の情報を窃取してしまったようだ。

 学校の成績情報といった重要情報が外部へ流出したのは、今回の事件が初めてではない。むしろ小中学校や高等学校といった教育機関からの重要情報の漏えいは、これまで何度も発生してきた。セキュリティ対策を含めてクライアントPCの管理が不十分で、情報を管理するための環境を十分に整備しきれていない教育機関が少なくないからだ。

佐賀県の事件は今までと何が違うのか

       1|2 次のページへ

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news091.jpg

DHC、中国向けに初の越境ECをスタート
中国向け越境ECプラットフォーム「Wonderfull Platform」を運営するインアゴーラは、ディ...

news070.jpg

SSP「fluct」、動画広告DSP「ONE by AOL: Video」と連係開始
AOLプラットフォームズ・ジャパンは動画広告DSP「ONE by AOL: Video」とfluctのSSP「fluc...

news004.jpg

「無意識のウソ」を排除せよ――ユーザーの本音を引き出す定性調査の勘所
アンケートに代表される定量調査が「仮説証明型」であるのに対して、「仮説発見型」の方...