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2016年08月31日 07時10分 UPDATE

頭に七味唐辛子、頭髪薄い同僚に「ハゲじじい」 パワハラ認定部長、怒りの“反撃”提訴の行方 (3/4)

[産経新聞]
産経新聞

なぜそんなことをしたのか。男性の説明はこうだ。

 「私もハゲており、互いのコミュニケーションの一部としていた」

 2人の良好な関係性を前提とした、日常的な冗談の範囲内だという言い分だ。

 行為の正当性を訴えているものもある。

 《飲み会の参加者の頭にマヨネーズや七味唐辛子を振りかけ揶揄(やゆ)した》

 男性はこの出来事について「同僚が酔って女性社員の胸を触るなどセクハラをした。やめるよう注意したがやめなかったので、やったことだ」としたうえで、「それだけを取り出して非難されるいわれはない」と訴えた。

 だが会社は被害証言を重視。男性は即日自宅待機を命じられ、わずか8日後、「職場の秩序を著しく乱した」として、翌日付で諭旨解雇された。

 男性は「ほとんどが事実無根か、事実が歪曲(わいきょく)されたものなのに、一方的に解雇された」として、今年4月、地位確認を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 会社側は6月の第1回口頭弁論で請求棄却を求め、全面的に争う姿勢だ。

パワハラ相談10倍に

 「パワーハラスメント」という言葉は、コンサルティング会社「クオレ・シー・キューブ」(東京)の岡田康子会長が平成13年に定義した和製英語だとされている。比較的新しい言葉だが、社会問題として認識され、すっかり定着した。

 厚生労働省によると、全国の労働局などに寄せられた個別労働紛争相談のうち、パワハラにあたる「いじめ・嫌がらせ」は、14年度の6627件から、27年度は6万6566件と、約10倍に急増した。被害者が訴訟に打って出るケースも増え、企業にとって対策は急務となっている。

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