謎解明につながる発見か ピラミッドの「太陽の船」

謎解明につながる発見か ピラミッドの「太陽の船」
エジプトのピラミッドの脇に、王の副葬品として埋葬された2隻の巨大な木造の船、「太陽の船」の発掘調査で、1隻が、もう1隻を大勢の人がこいで引っ張る役割を果たしていたと見られることがわかり、船の謎の解明につながる貴重な発見だとして注目されています。
「太陽の船」は4500年余り前、古代エジプトのクフ王が死後の世界を旅するために作らせ、ピラミッドの脇に副葬品として埋葬されたとされる、長さおよそ40メートルの2隻の木造の大型船で、「第1の船」の発掘と復元作業はすでに終わり、日本とエジプトの合同調査チームが、3年前から残る「第2の船」の発掘を進めてきました。
その結果、第2の船の部材の中から、表面の一部が銅で補強され、複数の穴が空いた、長さ8メートルの船の側面と見られる木材が新たに見つかり、31日、報道陣に公開されました。
調査チームは、この木材は船をこぐオールを固定するためのもので、「第2の船」が、王などを乗せた「第1の船」を大勢の人がこいで引っ張る役割を果たしていたと分析しています。
調査チームを率いる東日本国際大学の吉村作治学長は「船が2隻ある意味が明快になった」と話していて、巨大な船がどのように作られたのかや埋葬された経緯を知るうえでも貴重な発見だとしています。