山岳遭難の救助に災害用基地局の気球活用へ

山岳遭難の救助に災害用基地局の気球活用へ
k10010663631_201609010542_201609010546.mp4
山で遭難した人の捜索に、携帯電話の災害用基地局に使う気球を活用しようと、総務省と大手通信会社ソフトバンクが実用化に向けた実証実験に乗り出すことになりました。
携帯電話の災害用基地局に使う気球は、地震などで基地局が壊れた場合に、アンテナを搭載した臨時の基地局として使うもので、大手通信会社のソフトバンクが全国10か所に配備していて、ことし4月の熊本地震から本格的に運用を始めています。
総務省とソフトバンクは、山で遭難した人を捜索する際に、この気球を活用しようと、共同で実証実験に乗り出す方針を固めました。
GPSを搭載した携帯電話は、基地局との間で常に位置情報を通信でやり取りしています。この仕組みを使って、電波が圏外になっている山間部の上空に気球を上げて、位置を捉え、捜索に役立てることができるとしています。この気球は地上100メートルの高さに上げれば、最大で半径10キロの範囲の携帯電話の電波を捉えることができるということです。
特に雪山での捜索は、雪の中に埋もれた遭難者の発見が難しいという実態がありますが、携帯電話の電波は雪の中からでも届くという利点があるとしています。
実用化にあたっては、ソフトバンク以外のすべての携帯電話会社の契約者も対象になる予定で、ことし12月に北海道ニセコ町で雪山での実証実験を行い、早ければ来年からの実用化を目指すとしています。