新宿歌舞伎町ビル火災から15年 遺族が祈りささげる

新宿歌舞伎町ビル火災から15年 遺族が祈りささげる
k10010663791_201609010442_201609010443.mp4
44人が亡くなった、東京・新宿歌舞伎町のビル火災から1日で、15年となりました。31日夜、当時ビルがあった場所で、祈りをささげた遺族は「同じような被害を2度と繰り返さないためにも、この出来事を忘れてほしくない」と話していました。
火災が起きたのは、15年前の平成13年9月1日の未明でした。新宿・歌舞伎町にあった雑居ビルの階段の踊り場付近から火が出て燃え広がり、3階のマージャンゲーム店や4階の飲食店にいた従業員や客など合わせて44人が死亡しました。
多数の犠牲者を出した火災から1日で15年となるのを前に31日夜、遺族が火災があった現場に集まりました。
火災が起きたビルは10年前に取り壊され、今は別の建物が建てられていますが、集まった人たちはかつてビルがあった場所の前に花を手向けたあと、手を合わせて祈りをささげていました。
当時23歳だった長女を亡くした中村スイ子さん(68)は15年という月日がたち、ビル火災を知らない若者も多くいると感じていて、「同じような被害を2度と繰り返さないためにも見守っていてねと娘に声をかけました。この出来事を忘れてほしくないし、若い人に知ってほしいです」と話していました。

警察は放火の疑いで捜査も未解決

火災が起きたのは週末の真夜中、大勢の客でにぎわっていた雑居ビルでした。この火災で、3階のマージャンゲーム店と、4階の飲食店にいて、逃げ遅れた従業員や客など44人が死亡しました。
火は階段の踊り場付近から出てビル全体に燃え広がり、警視庁は放火の疑いが強いと見ていますが、未解決のままです。
一方、ビルの管理をめぐっては所有会社の役員ら5人が安全管理を怠ったとして、業務上過失致死などの罪に問われ執行猶予つきの有罪判決が確定しています。
ビルには防火扉の前などに、ものが置かれていたため避難の支障となり、多数の犠牲者を出す原因の一つとなりました。