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韓国犬肉事情、不法と合法の間に取り残される国民の健康

崔 碩栄 (チェ・ソギョン)  ジャーナリスト

1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

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時間軸の長い視点で深く掘り下げて、世界の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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2018年昌平オリンピックを
控えた韓国政府の選択は?

 「グレーゾーン」という政府の選択により、危険にさらされているのは一般市民の健康である。現在も病気にかかった犬、病死した動物を飼料に育てられた犬たちが、誰のチェックも受けないままに流通し、販売され続けている。

 狂牛病が話題となった2008年の韓国では、全国各地で米国産牛肉輸入反対デモが起こり、参加者の数は数百万人に上った。その時、世界中のどの国よりも厳格な検査と管理を求めて食品の安全を追及したのが韓国国民である。そして「米国産牛肉」であれば骨が一かけら混ざっていたとしても輸入禁止を決定したのが韓国政府だ。自国の「犬肉」問題との、この温度差は一体何だろうか?

 現在の犬肉に対する韓国社会の対応を見ると、2008年に「厳格な検査と管理」のためあれだけ声を上げた国は別の国とまで思われてくる。米国産牛肉に対する反対デモは本当に「安全」の為の抗議だったのか?それとも狂牛病という恐怖を利用した単なる反米デモだったのか。その答えは「犬肉」に対する韓国政府の対応を観察すればはっきりするかも知れない。果たして平昌オリンピックを控えた韓国政府はどのような答えを出すのか、その行方が注目される。
 

  
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崔 碩栄(チェ・ソギョン)

ジャーナリスト

1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

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