東京都の小池百合子都知事(64)は30日、都庁で元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)と会談し、同氏と同氏を支援する「希望のまち東京をつくる会」から要望書を受け取った。
会談の中で、小池都知事は宇都宮氏から、東京メトロ銀座線青山一丁目駅で視覚障害者の男性が線路に転落し、電車にひかれて亡くなった事故を受け、防止のため鉄道各駅にホームドアをつけるよう指導してほしいと要望を受けた。同氏から「20年五輪、パラリンピックの時だけのセレモニーじゃなく、そこに向けてバリアフリーの街にしてほしい」と言われると、小池都知事は「都営で言うと、都営新宿線は64%設置できている。ただ各線の乗り入れる駅は、ドアの位置が違うんですよ。ドアの位置を変えるのは、なかなか技術的に難しいところがあるんですが、そこを各社と連絡を取りながら、改善するような方策をする、ということは見つけたい」と答えた。
逆に小池都知事は、9月1日に都政改革本部が発足することに対し、宇都宮氏に“アシスト”を求めた。同氏は行政から独立した市民目線を入れたチェックシステムとして「行政監視オンブズマン」制度を提案しており、この日も「都知事と同時に議会も厳しく都民がチェックすべき」と持論を展開。小池都知事は、それを受け「逆にお願いしたいのは、ずっとオンブズマンの役割を果たしていただいている。議会のチェックとか…今、私は『東京大改革』ということで、情報公開の制度をキッチリとして、あるべき姿といろいろな疑念を明らかにしていきたい。9月1日…まもなく、始めることになっています。また引き続き、自主的オンブズマンとして頑張っていただきたい」とリクエストした。宇都宮氏から「9月の都議会を第1回から傍聴に行きます」と言われると「ぜひ…手を振りますので」と笑みを浮かべた。