本紙の記者たちは、特ダネ記事と判断した場合、社内にさえ知らせず、午後11時以降に締め切られる最終版だけに掲載してきた。そのような記事は一つ一つ列挙できないほど多い。朝鮮日報社の社長や発行人も、禹首席秘書官の妻の実家による不動産の不正取引疑惑を、朝の新聞で初めて知ったという。宋前主筆は言うまでもない。本紙において主筆は編集人を兼任しているが、社説について責任を持っているにすぎず、編集局による取材や報道は編集局長に一任されている。主筆が取材記者に対し、記事について直接指示をするというのはあり得ない。
大統領府の関係者が、権力型不正疑惑についての報道で当事者となったことは、権力側にとっては気に入らないことだろう。大統領府の関係者が、大統領の信任が厚い人物であれば、なおさらそうだろう。だが、そうだとしても、取材記者たちが権力型の不正に対し疑問を抱き、自らの足で取材した記事を、その報道機関に在籍する特定の人物による道徳的な逸脱行為と結び付けて、陰謀論のような攻撃を繰り広げるのは、少なくとも大統領府がやることではない。