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 著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴された韓国の朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大教授(59)に対する公判が30日、ソウル東部地裁で開かれた。検察側は冒頭陳述で「被告は虚偽の事実によって、(元慰安婦の)名誉を深く傷つけた」とした。

 朴教授側は公判で、著作は慰安婦問題を解決するためのもので、元慰安婦らの名誉を傷つけたことはないと反論した。

 公判は1月に始まったが、朴教授側が一般の国民が参加する「国民参与裁判」を求め、事前審理が続いていた。朴教授側が7月、申請を取り下げたことで、通常の刑事裁判としての審理が始まった。

 同地裁は昨年2月、「帝国の慰安婦」の出版禁止などを求めた仮処分申請を受け、34カ所を削除しなければ出版を認めない決定を出した。今年1月にも元慰安婦が朴教授に対し慰謝料を求めた民事訴訟で、総額9千万ウォン(約820万円)の支払いを命じる一審判決を出している。(ソウル=牧野愛博)