先日、乳がんのために乳房を全摘されたタレントの北斗晶さんが、退院後記者会見を開かれた。
その時、北斗さんが話された「生存率50%」、という内容ばかりが、メディアに取り上げられていた。
確かにメディア的には「5年生存率50%」という言葉は、センセーショナルで話題として取り上げやすい。
そのことは十分にわかるのだが、この「5年生存率」という数字は、どのような統計から出された数字なのか?という説明は、ほとんどなかったような気がする。
メディアの書き方によっては、「北斗さんの5年生存率は、50%なんだ・・・」と、思われた方もいらっしゃったのでは?という気がしている。
北斗さんが、担当主治医とどのような話をされた中で「5年生存率50%」という言葉が出てきたのかは、知る由もないが、「北斗さん、あなたの5年生存できる可能性は50%ですよ」という、お話しをされたのではない、と思う。
あくまでも想像の範疇だが「過去のデータと病理検査の結果、同じ状況のステージの場合、統計的には5年生存率は50%です」という内容だったのでは?
私のスパルタな主治医も「5年生存率というのは、あくまでも統計上のことで、あなたの5年生存の可能性を示しているものではない」と、説明をしてくれた。
最もこの後、スパルタな主治医は「あなたの場合、あと50年くらい生きていそうだけどね
」と、言ったけど・・・
もちろん「私って、そんなに生命体として強そうですか?」と、応酬しましたけどね
。
そうなんです。「5年生存率」という数字は、あくまでも統計上のことであって、個人を指して言っていることではないのです。
同じステージ(=進行状況)で、転移状態なども似ていても、個人差があるので「統計上の可能性」という、範疇の数字であって個人に当てはまることではないのです。
余命を告げられた方でも、告げられた余命よりもずっと長生きをされる方も数多くいらっしゃれば、残念ながら告知された余命よりも早くなくなる方もいらっしゃる・・・それが「がん」という病気なのです。
メディアはセンセーショナルな話題に飛びつきやすいのは仕方なくても、「統計上のこと」という説明は、しっかりして欲しいし、北斗さんに対しても失礼だと思う。
Comment
Comment_form