ビジネスジャーナルが記事の捏造を謝罪「NHKに取材しておらず、回答は架空」

NHK「子供の貧困」特集に関する記事

ニュースサイト「Business Journal(ビジネスジャーナル)」は31日、ホームページにて8月25日付の記事「NHK特集、『貧困の子』がネット上に高額購入品&札束の写真をアップ」の一部に事実誤認があったとして、謝罪文を掲載した。

ビジネスジャーナルは雑誌「サイゾー」を発行する株式会社サイゾーが運営している。同社ではウェブメディア「サイゾーウーマン」「LITERA」「HEALTH PRESS」など複数メディアを手がけている。

BuzzFeedではビジネスジャーナルの運営元である株式会社サイゾーの担当者に、捏造発覚の経緯や、原稿のチェック体制など質問状を送り、回答を待っている。

記事は、8月18日に「NHKニュース7」内で放送された「子供の貧困」特集がやらせ問題で揺れているとの内容だ。

文中では、NHKに取材をし回答を得た上で「貧困は社会が抱える大きな問題だが、だからといって報道でそれを捏造してしまえばたちまちに矮小化されてしまう」と報道姿勢に疑問を呈していた。

31日に掲載された「お詫びと訂正」ではこの記事内に2点の誤認があったとしている。

【事実誤認1】映像にエアコンらしきものは写っていなかった

問題の一点は記事中で

取材の映像でも、少女の部屋はモノで溢れており、エアコンがないと言っているにもかかわらず女子高生の部屋にはエアコンらしきものがしっかりと映っている

と報じた部分だ。

記事では女子高生の姉とみられる女性がTwitter上で「エアコンじたい家に設置されていません。1台も」と発言したことに対し、放送された映像ではエアコンが映っていたと別のユーザーが問い正し、結果として捏造疑惑を深めたとしていた。

しかし、謝罪文によれば「実際には、女子高生の部屋にはエアコンはなく、取材の映像にエアコンらしきものがしっかり写っているという事実も確認できませんでした」と事実誤認であったと認めている。

【誤認2】NHKへの取材は架空

問題のもう一点は、ビジネスジャーナル側が、NHKに問い合わせのメールをし

NHKとしては、厳正な取材をして、家計が苦しく生活が厳しいという現状であることは間違いないと、担当者から報告を受けています。ですので、ネット等に関しましては、取材の範囲ではありません。但しご意見は担当者に伝えます

との返答を得たという点だ。

実際にはNHKに取材は行っておらず「回答は架空のものでした」と捏造だったことを認めている。

記事は「外部の契約記者が執筆」

ビジネスジャーナルでは、当該の記事は外部の契約記者が執筆したものであり「NHKに取材をして回答を入手したと記述しておりましたが、実際には回答を入手しておらず、当編集部も確認を怠った責任があります」とした。

現在、事実誤認があった記事は削除されているが、掲載時には(文=編集部)と文責は編集部となっていた。

NHKや女子高校生、家族に謝罪

記事はビジネスジャーナルのサイトの他、Yahoo!ニュース、ニコニコニュースなど各種ポータルサイトにも配信された(現在は削除されている)。

ビジネスジャーナルでは「読者に対し、あたかもNHKが『やらせ』『捏造』を行ったかのような印象を与えたことにつき、取材が十分ではありませんでした。NHKに対し、深くおわびいたします」と謝罪。

番組に出演した女子高校生やその家族にも謝罪している。

SNSでは編集側や外部ライターの責任問う声








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