世界遺産 ポンペイの壁画展
2016年7月23日〜9月25日
名古屋市博物館
中日春秋(朝刊コラム)中日春秋このほど出版された『永六輔の伝言』(矢崎泰久編、集英社新書)は、先月八十三歳で逝った永さんが語り、書き残した交遊録で、宝石のような話がたっぷり詰まった本だ。その一つをお届けすると… ▼女優の故・岸田今日子さんは子供のころ、不登校になった。夏休みが終わり、お母さんに「そろそろ学校へ行ったら…」と言われても、「ずっと行ってないから、イヤ」。それでも「みんなも夏休みだから、お休みしていたのよ。大丈夫」と励まされて、いやいや学校に行った ▼岸田さんが手つかずのままの絵日記と宿題を提出すると、先生は「楽しいことがたくさんあり過ぎて、宿題をする暇がなかったのかな」。そう笑いかけ、白紙の絵日記に、大きな○を書いてくれた。感激した彼女はそれで学校が好きになり、不登校をやめたそうだ ▼明日から、九月。夏休みが終わっても、学校なんか行きたくないという子もいることだろう。中高生の自殺が増え、九月一日は最も危険な日という統計もある ▼学校に行くにしろ行かないにしろ、とにかく、自分の命に自分の手で「×」を付けることだけは、しないでほしい ▼岸田さんの話には、続きがある。彼女は女優になってから先生と再会し、自分を救ってくれた「○」へのお礼を言った。ところが、先生は「あれは○じゃないよ。零点という意味…」。二人は大笑いしたそうだ。 PR情報 |
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