「正当な記事への圧力」地元紙の見解を新潟県知事が批判

「正当な記事への圧力」地元紙の見解を新潟県知事が批判
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新潟県の泉田裕彦知事は、地元新聞が報道した内容を理由に、ことし10月に行われる知事選挙に立候補しないことを30日明らかにしましたが、地元新聞は31日の朝刊で、「正当な記事への圧力」とする見解を示しました。これに対して、泉田知事は「記事の訂正を求めたことがどうして圧力となるのか理解できない」などと新聞社を批判しました。
新潟県の泉田知事は、県が出資する第三セクターの子会社によるフェリーの購入をめぐって、地元新聞の新潟日報が続けていた報道内容によって、正常な県政運営ができなくなっているなどとして、30日に4期目を目指してすでに表明していた、ことし10月の知事選挙への立候補を取りやめる考えを明らかにしました。

この泉田知事の姿勢について「新潟日報」は、31日の朝刊の一面で、編集局長名で「正当な記事へ圧力」とする見解を示しました。
記事の中では「知事選から撤退する理由に本社の報道を挙げたことは、報道機関に対する圧力にもひとしく、許しがたい行為と言うほかない。一連の報道は綿密な取材と事実に基づくものだ」としています。
また、「あたかも誤報であるかのような印象を抱かせるもので、社の社会的信用、評価をおとしめる行為で断固として抗議する」と述べています。

これに対して、泉田知事は31日の定例の記者会見で「記事の訂正を求めたことがどうして圧力となるのか、理解できない。フェリー購入の問題について県の考えを新聞社に伝えているのに紙面に掲載されない。こうしたことでは民主主義の基盤がゆらぐのではないか」と述べ新聞社を批判しました。