スズキ跡地/豊川市は積極姿勢/市議会一般質問で市長明らかに
2016/08/31
豊川市白鳥町のスズキ豊川工場の跡地利用問題で、地権者のスズキが、優先交渉権者をイオンモール(千葉県千葉市)に決定したことが分かった。30日に開かれた豊川市議会9月定例会一般質問で、交渉状況を聞かれた山脇実市長が答弁
の中で明らかにした。市民からは歓迎や戸惑いの声が聞かれた。
山脇市長によると、29日にスズキ側から決定の電話が入ったという。
スズキの鈴木修会長は、以前から約14㌶の広大な土地について市民病院横ということをかんがみ、工場用地ではなく商業施設での利用を示唆。市としても名鉄八幡駅周辺の新しいまちづくりを進めるため、商業施設の誘致に積極的な姿勢を示し、両者の意向は一致した。
しかし、同地は工業専用地域であるため、商業系への用途変更が必要。山脇市長は「いろいろな考えがあるが、強い信念のもと、将来を見据えたまちづくりへのチャレンジのため用途地域変更が必要」と発言。竹本幸夫副市長は今後、大型商業施設の進出による地元中小売業者への影響などを懸念している市商工会議所や地域住民などに理解を求めていく考えを示した。
この日、豊川市民病院を受診した同市小田渕町の主婦(32)は知らせを聞き、「市民病院の救急車などが渋滞に巻き込まれないようにしてほしい」と前置きしつつ、「イオンモールが来るなら率直にうれしい。岡崎とか志都呂のイオンモールに1時間くらいかけて行っているから」と期待。一方、近くで長年洋品店を営む女性は「困った。死活問題。反対したいけど、市長も賛成なんですよね」と肩を落とした。
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