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日本の受動喫煙対策「最低」 たばこ白書、15年ぶり改訂

2016/8/31 9:55
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 厚生労働省は31日、喫煙の健康影響に関する報告書「たばこ白書」をまとめた。15年ぶりの改訂で、喫煙と病気の因果関係を4段階で初めて評価。がんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などで因果関係が「確実」とした。日本の受動喫煙対策は世界でも「最低レベル」とし屋内の全面禁煙などの対策が必要とまとめた。

 たばこ白書は1987年に初めて公表され、今回が4回目の作成となる。

 白書では喫煙の健康影響を様々な疾患について評価した。喫煙者本人の影響では、肺がんなどのがん以外にも、腹部大動脈瘤(りゅう)や歯周病などで確実に関係するとした。妊婦の喫煙は早産や胎児の発育遅延などにも確実に影響を与えていると報告した。

 受動喫煙についても、国立がん研究センターが肺がんのリスク評価を引き上げたことなどを踏まえ、健康への悪影響を強調。脳卒中や心筋梗塞なども国内の研究成果などをもとにリスクは確実と評価した。受動喫煙については、肺がんや脳卒中、心筋梗塞などで確実に影響していると評価した。乳幼児突然死症候群への影響も確実で注意を呼びかけている。

 日本の受動喫煙対策の遅れも指摘した。公共の場所のすべてで屋内全面禁煙としている国は2014年時点で49カ国ある。日本は健康増進法に受動喫煙対策の努力規定があるだけで、「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言した。

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