グループホームで9人の遺体確認 浸水被害の岩手・岩泉町

グループホームで9人の遺体確認 浸水被害の岩手・岩泉町
警察によりますと、浸水被害が起きている岩手県岩泉町の高齢者グループホームで、警察官が9人の遺体を確認したということです。
遺体が見つかったのは、岩泉町乙茂にある高齢者グループホーム「楽ん楽ん」です。
性別や年齢などは確認中だということです。
岩泉町乙茂では、別の介護施設が浸水被害で孤立したという情報があり、警察官が現場に駆けつけたところ、同じ敷地にある「楽ん楽ん」の建物の中で、9人の遺体が見つかったということです。

遺体が見つかったグループホーム

岩手県によりますと、「楽ん楽ん」は認知症の症状があるお年寄り向けのグループホームで、入所定員は9人だということです。
同じ敷地には同じ法人が運営する介護施設、入所定員85人の「ふれんどりー岩泉」があります。
「ふれんどりー岩泉」については、31日午前0時ごろ、岩泉町役場に詰めていた県の職員から「1階部分が浸水したが、入所者と職員は3階に避難して無事だ」と連絡があったということです。
一方、「楽ん楽ん」については、被害などの状況は把握できていないということです。
県によりますと、いずれの施設も今は電話が通じないということで、午前10時半現在、町の職員などが状況を確認するため現地に向かっているということです。

グループホームそばの川の水位は

遺体が発見された高齢者グループホームのすぐそばを流れる小本川の水位は、30日夜に急激に上がっていました。
国土交通省によりますと、高齢者グループホームから4キロほど離れた岩泉町にある赤鹿観測所では、台風の接近に伴って30日夕方から水位が上がり始めました。そして午後7時には、水位は5メートル10センチに達し、川岸の高さを超えました。その後の1時間で、水位は一気に1メートル50センチ上がり、午後8時には6メートル61センチに達しました。
このあと水位は徐々に下がっていきますが、31日午前0時まで、川岸の高さを超える状態が続いていました。