岩手 岩泉町 中心部が広範囲で冠水

岩手 岩泉町 中心部が広範囲で冠水
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岩手県岩泉町にある岩泉病院の職員によりますと、町の中心部が広い範囲で冠水し、国道の一部も資材などで塞がれ、車が通れない状態だということです。職員は「川沿いの住宅は床上まで水につかり、泥が入り込んだと聞いている。道路の至る所でがれきが流れて、どこまで被害が出ているかわからない状況だ」と話していました。
午前6時すぎにNHKがヘリコプターで岩手県岩泉町の小本川下流にある小本地区を撮影した映像では、堤防が決壊して、濁流が押し寄せたことが確認できます。橋のガードレールも一部壊れています。ところどころに大量の流木やゴミのようなものがたまっています。
また、大規模な氾濫で、農地だったと見られる場所が川のようになっていて、住宅も一部、茶色く濁った水につかっています。
岩泉町は小本地区だけでなく、小本川の上流でも広い範囲で被害が出ていると見られていますが、電話が通じなくなっている地域もあり、被害の詳しい状況は確認できていないということです。

介護施設が浸水 屋上に取り残される

岩手県によりますと、午前4時20分ごろ、岩泉町乙茂地区にある介護施設「ふれんどりー岩泉」で、「施設が浸水し、2階に複数の人が孤立している」と町から連絡がありました。
県が防災ヘリコプターで上空から確認したところ、介護施設は周辺が土砂に覆われ、屋上に複数の人が取り残されているということです。
施設の東およそ2キロの場所で道路が土砂や木で塞がれ、近づくことができない状態です。
県は詳しい状況を確認するとともに、救助を急ぐことにしています。
介護施設は岩泉町役場から東に5キロほど離れた山間部にあり、周辺には国道455号線に沿って住宅が点在しています。

別地区でも屋根の上に多くの住民

岩手県の宮古地区消防本部によりますと、岩泉町中島で住宅が水につかり、多くの住民が屋根の上に避難しているのをヘリコプターで上空から確認したということです。
地上からは近づくことができないということで、県や町などと対応を検討しています。現場は、三陸鉄道の岩泉小本駅から西に1キロほど離れた集落です。

6時間で平年の1か月分の雨量

岩泉町では、台風10号が接近した30日の午後3時ごろから夜にかけて、発達した雨雲が次々にかかりました。
29日の降り始めから30日夜までの雨量は248ミリと、平年の8月1か月分のおよそ1.5倍に上っています。このうち、30日午後7時までの6時間で、平年の8月1か月分を上回る171.5ミリの雨が降りました。