シンガポール ジカ熱の感染者80人超 拡大懸念

やぶ蚊を媒介するジカ熱の国内での感染が初めて確認されたシンガポールでは、感染した人が82人に増え、これまで感染者が集中していた地区の近くでも確認されていることから、感染のさらなる拡大が懸念されています。
シンガポールでは、屋外にある建設現場で働いていた外国人の作業員や住民が今月下旬になって発熱などの症状を訴え、シンガポール保健省は27日、国内でのジカ熱の感染が確認されたと発表しました。
感染が確認された中心部の地区では蚊の駆除が集中的に行われていますが、保健省は30日夜、新たに26人の感染が確認されたと発表し、これで感染者は、すでに完治した人も含め82人となりました。
新たに感染が確認された人のうち少なくとも5人は、感染が集中していた地区の近くに住居や職場があるということで、感染がさらに拡大することが懸念されています。
ジカ熱は、妊娠中の女性が感染すると、頭部が先天的に小さい小頭症の赤ちゃんが産まれるおそれが指摘されていて、シンガポール保健省は、発熱などの症状がある妊婦や配偶者に検査を受けるよう呼びかけるとともに、感染の拡大を防ぐための対策を急いでいます。
一方、日本の厚生労働省も、シンガポールをジカ熱の流行地域に指定し、渡航する際は注意するよう呼びかけています。