北海道や岩手県で記録的大雨 広範囲で浸水被害

北海道や岩手県で記録的大雨 広範囲で浸水被害
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台風10号から変わった温帯低気圧の影響で、北海道と岩手県では降り始めからの雨量が平年の8月1か月分を大幅に超える記録的な大雨になっていて、川が氾濫し、広い範囲で浸水被害が出ています。各地の雨は収まってきていますが、今も川の水位が上昇している地域があり、引き続き、洪水や土砂災害などに厳重な警戒が必要です。
気象庁によりますと、北海道の西の海上にある台風10号から変わった温帯低気圧に向かって湿った空気が流れ込んだため、北海道には発達した雨雲が次々に流れ込んで断続的に激しい雨が降り、局地的には猛烈な雨が降りました。
北海道では29日の降り始めからの雨量が気象庁の観測点で多いところで300ミリを超え、平年の8月1か月分を大幅に超えているほか、国土交通省が北海道の南富良野町に設置した雨量計では500ミリを超えていて、記録的な大雨となっています。
この大雨で北海道と岩手県では川の水があふれたり堤防が決壊したりして広い範囲で浸水被害が出ていて、このうち、北海道の札内川では帯広市の中島地区付近で堤防が決壊したということで、国土交通省と釧路地方気象台は午前6時20分に氾濫発生情報を発表しました。
また、北海道の十勝川は午前2時40分ごろに帯広市の帯広水位観測所で、午前6時20分ごろに豊頃町の茂岩水位観測所で、北海道の利別川は午前6時40分ごろに池田町の利別水位観測所で、北海道の猿別川は幕別町の止若観測所で、それぞれ氾濫危険水位を超え、国土交通省と気象台は、洪水の危険性が非常に高まっているとして氾濫危険情報を出しました。
また、岩手県では、これまでに降った雨で土砂災害の危険性が非常に高くなり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
各地の雨は収まってきていますが、大気の不安定な状態が続くため、北海道ではこのあと数時間は1時間に30ミリ以上の激しい雨が降るおそれがあります。
また、北海道では31日の昼すぎにかけて波の高さが7メートルの大しけが続く見込みです。
北海道では今も川の水位が上昇しているところがあり、気象庁は、川の氾濫や土砂災害、低い土地の浸水に引き続き厳重に警戒するとともに、高波に警戒し、落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。