大暴れマイコ劇場　一夜明け心境語る

　これは究極の言い訳か、それともアメリカンジョークなのか…。巨人のマイルズ・マイコラス投手（２８）が雨中の劇場（激情？）から一夜明けた２９日、心境を語った。まずは降板後にベンチを蹴り上げ、グラブをたたき付け、バットで何度も床をたたいたことはこう言った。

　「虫を突いていたんだよ。大きいのがいたんだ。虫に詳しくないから、種類はわからないけど」

　これは笑ってあげるところなのか？　困った顔の報道陣に、捕手の小林誠に悪態をついていたように見えたシーンも説明した。「雑談だよ。家族の話とかね」。そうそう。バッテリーが互いのことを知るのは大切だからね…。って、そんなわけあるかい！

　感情の起伏も「なかった。調子も良かった」と言い切ったが、これもマイコ流の反省の証しかもしれない。来日初の中４日。外国人初の１５連勝を目指して上がったマウンドだが、雨にたたられた。この日のように室内練習場で聞く雨音は「好きだよ。練習が室内になるから」と穏やかな笑顔で話したが、前夜はメジャーでも経験のない超バッドコンディション。

　「マウンドはぐちゃぐちゃ。危険を感じたんだ」と真顔で振り返った。結果、自分のボールも感情もコントロールすることができず、打席で空振りすれば、１本しか持っていないバットをへし折る始末…。それゆえ、虫を突いていたというバットは借り物だった！

　だが、一晩寝ればスッキリした。５連敗の無念を晴らすべく、一部投手陣がジャイアンツ球場で行った練習にマイコラスも参加。一番に室内練習場に姿を見せたのもマイコラスだった。

　大暴れの割には６イニング２失点。黒星はつかず、連勝記録は次回登板に持ち越された。９月２日からの中日３連戦（東京ドーム）での先発が予想される。今度はベンチに虫がいませんように…。　（園田佳子）