賠償判決が確定へ 東電控訴せず
東京電力福島第1原発の近くにあった双葉病院(福島県大熊町)に入院し、原発事故後に行方不明となった認知症の女性(当時88歳)の親族が東電に損害賠償を求めた訴訟で、東電は24日、約2200万円の支払いを命じた東京地裁判決(10日)について控訴しない方針を明らかにした。東電は「総合的に判断した」とコメント。親族側も控訴しない方針で、判決が確定する。
東電は裁判で原発事故と女性の行方不明には因果関係がないと主張したが、判決は「事故がなければ病院職員が避難することはなく見守りができた」と退けていた。女性は2013年に裁判所で失踪宣告を受け、法律上は死亡したとみなされている。【伊藤直孝】