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 福岡市で28日まで開かれた市民団体主催の「平和のための戦争展」を名義後援した市は29日、29日付で後援の承諾を取り消したと発表した。職員が会場を訪れ、展示に「特定の主義・主張に立脚した内容があったと確認した」と説明。申請に「虚偽があった」として今後3年間は後援しないことも決めた。

 市によると、23日に始まった戦争展に職員が3回訪問。「原発いらない」「戦争法廃止」「TPP批准阻止」といったパネル展示に加え、「憲法の改悪に反対し9条を守ること」を掲げて署名活動をしていたことを確認したという。

 市は、こうした内容が後援を決める基準の一つ「特定の政治的立場に立脚していないこと」に抵触すると判断した。申請時に団体側は、この基準に触れる内容はないと説明していた。福田大二郎行政部長は「申請内容に虚偽があり残念。後援取り消しは過去にあまり例がない」と話した。

 市は昨夏は、開催前に同様の理由で後援を見送った。市民団体の石村善治運営委員長は「詳しい理由は今後、市に聞かないと分からないが、展示は『戦争反対』の趣旨に関連したもので、市と解釈の違いがあるのではないか」と話した。(小川直樹)