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【国際】

核兵器無き世界の実現を 長崎の末永さん、独で原爆体験語る

29日、ドイツ・ハノーバー近郊の学校で、9歳で体験した長崎原爆について語った末永さん(奥中央)=垣見洋樹撮影

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 【ハノーバー(ドイツ北部)=垣見洋樹】一九四五年に長崎原爆を体験した長崎市在住の元教員末永浩さん(80)が二十九日、ハノーバー近郊の学校「カール・フリードリヒ・ガウス・シューレ」で、十六〜十八歳の生徒約三百人に自身の体験を語った。

 末永さんは九歳の時、爆心地から三十キロ離れた疎開先で原爆を体験。終戦後、母と二人の妹が住む長崎市に戻り、放射線を浴びた。

 当時、爆心地から二・三キロの畑でキュウリを収穫していた母の話として、青い光が周囲を照らした後、猛烈な風が吹き、一瞬で畑から何もなくなったこと、やけどで全身の皮がむけた人たちが助けを求めて歩いてきた様子を伝えた。

 後に母と妹をがんで亡くした末永さんは「若い人が核兵器のない世界を築いてほしい」と訴えた。

 講演を聴いたコンスタンティン・ザベルさん(18)は「歴史の教科書では原爆のことを詳しく学ばない。体験した人の話は衝撃だった」と語った。

 講演は、末永さんが会員になっている長崎市の「岡まさはる記念長崎平和資料館」関係者によるドイツの歴史教育の視察の一環で実現した。

 

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