首相、靖国玉串料を奉納
超党派議連70人が集団参拝
安倍晋三首相は終戦記念日の15日午前、東京・九段北の靖国神社に自民党総裁として玉串料を奉納した。自身の参拝は見送り、西村康稔・党総裁特別補佐が代理として納めた。また、超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長=尾辻秀久参院議員)の約70人が集団参拝した。
首相の終戦記念日の参拝見送りと玉串料奉納は4年連続。2013年12月に自身で靖国参拝したが、その後は控えている。緊張関係にある中韓両国に一定の配慮を示し、9月に中国である主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて調整中の日中首脳会談への影響も考慮したようだ。西村氏によると、玉串料は私費で奉納した。
内閣からは萩生田光一官房副長官が15日午前、靖国を参拝。萩生田氏は記者団に「一政治家、一国民として恒久平和への誓いを新たにした」と語った。今村雅弘復興相は11日に参拝。山本有二農相は15日の記者会見で「6日に参拝した」と明らかにした。稲田朋美防衛相はアフリカ東部ジブチを訪問中で、15日の参拝は見送った。
集団参拝には自民党の古屋圭司選対委員長、岸信夫副外相らが参加。尾辻氏は首相の参拝見送りに「よほどの事情と察するしかない」と記者団に述べた。同党の小泉進次郎農林部会長、新藤義孝元総務相、中谷元(げん)前防衛相らは個別に参拝した。【真野敏幸、飼手勇介】