台風10号 警戒のポイント 早めの避難や安全確保を

台風10号 警戒のポイント 早めの避難や安全確保を
今回の台風10号は暴風域を伴ったまま北日本や関東に近づき、30日午後にも東北地方に上陸するおそれがあります。特に東北地方では記録的な大雨になるおそれがあり、土砂災害や川の増水、それに暴風、高波、高潮に警戒し、早めの避難や安全確保の行動を取る必要があります。
最も警戒が必要なのは大雨です。
北日本と東日本では台風の接近前から激しい雨が降り、さらに台風本体の雨雲がかかるため、31日にかけて局地的に1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあります。特に東北地方では31日夕方までに降る雨の量が多いところで500ミリ前後に達して平年の8月1か月分の2倍以上の雨量を超える記録的な大雨になるおそれがあります。土砂災害や川の氾濫などに警戒が必要です。

台風接近前から激しい雨

最も警戒が必要なのは大雨です。
北日本と東日本では台風の接近前から激しい雨が降り、さらに台風本体の雨雲がかかるため、31日にかけて局地的に1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあります。特に東北地方では31日夕方までに降る雨の量が多いところで500ミリ前後に達して平年の8月1か月分の2倍以上の雨量を超える記録的な大雨になるおそれがあります。土砂災害や川の氾濫などに警戒が必要です。

土砂災害には前兆が

土砂災害が発生する前には、前兆現象として、斜面から小石が落ちてくる、斜面に亀裂ができる、斜面から突然、水が湧き出す、「山鳴り」や「地響き」といった異常な音が聞こえることなどがあります。
土砂災害の危険性が非常に高くなると、気象台と都道府県は市町村を対象に「土砂災害警戒情報」を発表します。自治体から出される情報に注意し、早めに自治体が指定する避難所や安全な場所に移動することが必要です。ただ、風や雨が強かったり、周囲が暗くなっていたりする場合には、むやみに移動することはかえって危険なため、自宅の2階以上に避難したり、斜面と離れた側の部屋に移動すると安全な場合があります。

川の水位上昇 水田・水路に近づかない

続いて川の氾濫の警戒点です。
猛烈な雨や非常に激しい雨が降ると、川の水位が上昇して、洪水の危険性が高くなります。特に、川幅が狭い川では雨で水位が急に上昇するおそれがあります。さらに、流域が広い大きな川では、上流の地域で大雨が降ると下流の地域では雨が降っていなくても水位が上昇して洪水が発生することもあります。例えば、台風の進路に当たる岩手県から宮城県を南北に流れる北上川は、流域が広く、総雨量が多くなれば支流も含めて広い範囲で洪水のおそれが高まります。洪水の危険性が高まると気象台は市町村に「洪水警報」を発表します。また、気象台と河川を管理する国や都道府県は氾濫の危険性が非常に高くなっている川の流域を対象に、「はん濫警戒情報」や「はん濫危険情報」を共同で発表します。
各地の川の水位は自治体や国土交通省のホームページなどで確認することができます。気象台や自治体からの情報に注意して早めに避難することが必要です。
また、JA全農などによりますと、台風や大雨のたびに水田や水路の様子を見に行って流され、亡くなる人があとをたちません。特に今は稲の収穫を控えた時期で、大雨の際に増水した水路などの見回りに行くと非常に危険です。水田や水路、川には近づかないようにしてください。

暴風 外出は控える

続いて暴風の警戒点です。
台風10号は風速25メートル以上の暴風域を伴ったまま北日本や関東に近づく見込みです。気象庁によりますと、最大風速で25メートル、最大瞬間風速で40メートルの暴風が吹くと、走行中のトラックが横転したり、木が倒れたりすることがあります。さらに最大風速で35メートル、最大瞬間風速で50メートルの暴風になると多くの木が倒れ、電柱やブロック塀も倒れるおそれがあります。暴風が吹いている中で屋外で行動するのは極めて危険で、屋根や雨戸などの補修は風が強まる前に済ませておくほか、植木鉢や自転車など倒れたり飛ばされたりするおそれのあるものは、早めに屋内にしまうことが大切です。また、外出する場合には風が強くなる前に帰宅し、風が強い時間帯にはできるだけ外出を控えて安全を確保する必要があります。

高潮 台風接近や満潮の時間帯は海に近づかない

さらに、台風が近づく沿岸部では気圧が低下して海面が持ち上げられるうえ、暴風で海水が吹き寄せられて高潮が発生する危険があります。気圧が1ヘクトパスカル下がると海面は吸い上げられて1センチ高くなるほか、強い風が沖合から吹くと大量の海水が吹き寄せられて潮位を押し上げるため、高潮が発生するおそれがあります。
東北の太平洋側の沿岸では5年前の巨大地震の影響で地盤が下がっている地域があるうえ、今は1年で最も潮位が高い大潮の時期にあたります。東北の太平洋側は湾の入り口が東側に開いているところが多く、台風の東風で海の水が押し寄せられて潮位が高くなります。台風の接近時や満潮を迎える時間帯などには海岸には近づかないなど高潮に警戒が必要です。