【ソウル=井上宗典】29日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長は、27〜28日に開かれた青年団体「金日成キムイルソン社会主義青年同盟」の第9回大会で演説し、思想教育強化の重要性を強調した。

 大会開催は1993年2月以来、23年ぶり。正恩政権を支える青年層の引き締めを図る狙いがあるとみられる。

 正恩氏は演説で「青年たちは社会主義強国建設で、突撃隊とならなければならない」と述べ、組織強化を指示した。大会では、団体名を「金日成・金正日キムジョンイル主義青年同盟」に改称した。北朝鮮は当初、開催日を26日と発表していたが、開催が遅れた理由は不明。

 一方、韓国の朴槿恵パククネ大統領は29日に開いた首席秘書官会議で、「エリート層すら脱北と亡命の道に進むほど、深刻で悲惨な北朝鮮体制の現実が明らかになっている」と指摘。北朝鮮の挑発行為が「(北朝鮮)政権の自滅につながるよう、確固たる態勢を維持してほしい」と述べた。