台風10号 東北の太平洋側に上陸すれば初のケース

台風10号 東北の太平洋側に上陸すれば初のケース
気象庁によりますと、過去に台風が東北地方に上陸したケースは、統計を取り始めた昭和26年以降3回ありますが、いずれも日本海側で、太平洋側に上陸したケースはありません。台風10号は、30日に東北の太平洋側に近づくおそれがあり、その後上陸した場合、統計を取り始めてから初めてのケースとなります。
気象庁によりますと、過去に東北に台風が上陸した記録として最も古いのが、平成6年8月の台風11号で、日本海を東へ進んだあと青森県の津軽半島に上陸しました。
次が平成16年8月の台風15号で、平成6年の11号とほぼ同じように日本海を東へ進み、青森県の津軽半島に上陸しました。
さらに、平成22年8月には、台風4号が日本海を東へ進んだあと、秋田市付近に上陸しています。
3つの台風はいずれも東北の日本海側に上陸していて、30日に台風10号が東北地方の太平洋側に上陸すれば、昭和26年に統計を取り始めてから初めてとなります。

また、これまでの3つの台風は、いずれも海水温の低い日本海を通過したため、上陸時の中心気圧は980ヘクトパスカルから996ヘクトパスカルでしたが、今回の台風10号は、比較的海水温の高い日本の南の海上を通ってきたため、暴風域を伴い、965ヘクトパスカル前後の勢力を保ったまま東北の太平洋側に近づくおそれがあります。

気象庁は「台風10号は、寒気を伴う上空の低気圧の影響を受けて、北日本に接近するという珍しい進路を取っている。このため、東側からの経験のない強さの風が吹くことも考えられ、大雨に加え、暴風や高潮などに厳重に警戒してほしい」と話しています。