(^^)/ 中高生限定のコミュニケーションアプリであるゴルスタ(ゴールスタート)の、運営姿勢が大炎上しています。
① 会員の運営批判に対し、再三の「反省文」提出や警察への通報予告で恫喝。
② 運営批判した中高生の本名を、懲罰としてツイッター上に流出(根拠)。
特に②の1点だけで、ゴルスタ=悪の枢軸であることは、疑いようがありません。
運営会社は森塾
ゴルスタの運営会社は、株式会社スプリックス(SPRIX)とされていますが、実質的な母体は個別学習塾の森塾です。森塾は、新潟県長岡市に出自があり(1997年)、今世紀に入りベネッセと提携し、首都圏に進出。現在は、株式会社スプリックス(SPRIX)として、森塾、ゴルスタなど複数の事業を手がけています。
教育関係者なら、まず、社名から良い印象を得ないでしょう。世の中には、漢字表記の会社(学校)とカタカナ表記の会社(学校)があります。カタカナの社名は、伝統がないことが多く、まずは疑ってかかる習慣を持つ教育関係者もいます。
河合塾(創立1937年) 東進ハイスクール(1985年)
日本美容専門学校(1954年) 東京モード学園(1980年)
※東進ハイスクール、東京モード学園を挙げたのは、批判に耐えうる実績と企業体力があるからです。東進は、面談で授業料が高額になりやすい点が批判されますが、講師・授業内容は間違いなく一流。東京モード学園は、高校を介さない生徒募集や高い授業料が批判されますが、在校生の満足度は決して低くありません。
漢字、カタカナの区別は、大味な決めつけであり、あくまで、調査のとっかかりに過ぎないのですが、教育関係に関して、漢字・カタカナは案外優れた指標になります。その意味で、株式会社スプリックス(SPRIX)は、多少のマイナスイメージです(何やかんや言って、わが子をカタカナの大学に入れたい親はいないはずです)。
さらにスプリックス(SPRIX)が、SAPIX(首都圏名門中学受験塾)のイメージを、かっぱらっている点もイメージは良くないです。まさかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば先駆者に明光義塾(個別類型塾)があります。meikougijyukuは、よく音を分析していくと、慶應義塾(keiougijyuku)のイメージを盗もうとしているように感じます。
meikーougijyuku
keiーougijyuku
人は潜在意識で多くの情報を判断していますので、音や表記の様子から、気づかないうちに先入主(先入観)を形成していることに間違いはありません。
株式会社スプリックス(SPRIX)は、SAPIXと紛らわしいカタカナの新参者の教育産業で、アプリユーザーに反省文書かせたり、本名を故意に流出している。
私なら、まず上のような第1印象を持ちます。
ゴルスタは教育アプリだった(笑)
ゴルスタは、実は教育アプリとしてリリースされています。
コンテンツは、どう見てもコミュニケーションアプリですが、「スナップスタディ」なる教育コンテンツが、控えめに片隅に存在します(笑) キャッチフレーズは、先生がイケメン(笑)
教育関係者なら、この時点でそっとアプリを閉じるでしょう。
株式会社スプリックス(SPRIX)、即市ね。
これが、普通の先生(教育関係者)の持つ第1印象です。
※補足 新潟県長岡に出自があるなら、それほど悪質な企業ではないのでは?とお思いの方もいらっしゃるかも。確かに、企業が生まれ育った土地を見るのは重要で、新潟県は人柄が良い県です。しかし、新潟は教育に関しては案外先鋭的で、多くの保護者が大学より専門学校を選ばせるため、大学が育たない土地柄です。(県民性を深くは承知しませんが)新しくても、内実が良ければよしという価値観があるのかもしれません。
現在のネット上の「意見」は、大半がコピー
現在ネット上はゴルスタ批判一色です。個人ブログやSNSはもちろん、「公式アカウントとは思えない、過激な発言の数々」(ねとらぼ)のように、大手ニュースメディアも同様のトーンです。
※読売新聞社は「物議を醸している」の表現に抑え、客観性を維持していた。
ネット普及以前、国内の世論は、限られた数の全国紙とテレビ局がすべて牛耳(ぎゅうじ)っていました。政治権力や大手企業とのつながりから、報道姿勢は基本的には似たものになります。書けないことは書けないし、言えないことは言えない。
現在、ネットが普及し、個人が自由に意見を言えるようになりました。結果、確かに労働者に不健康な生活を強いるブラック企業の告発が進むなど、よい点もありました。しかし、今回のように「議論(賛否)が分かれにくい問題」に関しては、不用意にネット上の意見を鵜呑みにする傾向が高まっているようにも感じます。意見が、個人的な精査(詳しい調査や熟考)を経ないコピーになっていると、危惧します。
森塾は悪質なのか?
出典:http://www.garbagenews.net/archives/2013423.html
森塾の首都圏進出は、2004年です。少子化が深部まで進行し、教育業界はにっちもさっちも行かなくなっていた時期です。個別指導塾は21世紀に入って伸びてきたジャンルですが、大手の明光義塾やスクールIE(やる気スイッチ)などが、すでにフランチャイズ化を進めていた市場に割って入り、在籍者を増やしたのが、森塾でした。
少子化と既存大手勢力という2つの逆風のなか、在籍者数を伸ばしたのには理由があるはずです。
その理由は、私の分析では、ズバリ「フォレスタ」です。フォレスタは、個別塾専用の指導マニュアル付きテキストです。既存の個別塾は、市販の参考書や学生アルバイトの個々の技量に頼る部分があり、当たる講師による運不運がつきもの。ここが、大きな差につながっています。授業の質が良いから、在籍者数を増やしたと見て間違いありません。
なぜこのような頭が悪そうなアプリができるのか
ゴルスタの教育コンテンツを見ると、頭の悪そうなコンセプトに閉口する方も多いと思います。年齢の高い保護者なら、眉をひそめるでしょうし、スマホを破壊するかもしれません。
しかし、このアホな画面にこそ、森塾=ゴルスタの「妙技」が現れているとも言えます。
個別塾は、いわゆる補習塾です。学校の授業についていけない、受験塾の集団授業についていけないという層がターゲットになります。多くの生徒が、勉強面ではいい思いをしたことがなく、勉強に拒否反応を示し、真正面から教科に関心をもつことは余りありません。SNSやスマホゲームに多くの時間を消費するのも特徴です。
教科に正面から関心を持ってくれない生徒を、机に向かわせるにはどうしたらよいのでしょうか?
やる気を導く大きな要因の一つが、担当講師のキャラクターです。
・勉強が出来ない生徒を馬鹿にしない講師。
・わかりやすい言葉を選んで使える講師。
・芸能人やゲームの話なども分かってくれる講師(僕らが興味を持っているモノを、一概に否定しない講師)
・勉強一辺倒の価値観ではない講師(友達と雑談しているひまがあるなら、1秒でも勉強しろ?友達だって大切なのに……)。
・普通にさわやかな講師(イケメン、美女ならベター)
森塾では、採用時に高学歴の大学生を必ずしも選んでいないと言われています。高学歴の講師は、上の青い四角内の逆を考えて頂くと案外当てはまったりもします(勉強が出来ない生徒を無意識のうちに馬鹿にしてしまう、言葉が高度で難しい……)。
つまり、補習塾であり生徒の層に特徴がある個別塾には、高学歴の講師は合わないことも多いのです。でも学歴より人間性を重んじると、授業レベルが下がってしまう。しかし、森塾には、個別塾専用の指導マニュアル付きテキスト「フォレスタ」がある。従来の個別塾にはなかったスタイルの完成です。
・講師はコミュニケーション力重視。
・授業はマニュアルで品質を保つ。
・結果として生徒は親しみやすさ、分かりやすさの2点を得られる。
↑ 森塾のそのコンセプトが、ゴルスタ上でこう表現されちゃったわけです。
このデザインは物議をかもし保護者受けは悪いと思いますが、(学業が本職でなく)モデルをしている講師でも、マニュアルに則(のっと)れば一定の授業技量を示すはずです。上の画面は、森塾の真骨頂というわけです。
※なお個別塾の生徒の保護者層は、上のような広告に案外拒否反応を示さず、「ふーん、楽しそうじゃない。ちょっと、やって見れば?」と言うことも、案外多いです。
ゴルスタがやろうとしていたことを好意的に見れば
ゴルスタは、単なる金儲けかもしれませんが、コミュニケーション部分に興味を持った生徒が、いじっているうちに、スナップスタディに遷移してしまう可能性は、大いにあります。勉強が苦手な子を「釣る」方法としては、理にかなっています。勉強メインのアプリなんて、登録すらしないです。
↑ 実はポケモンGOも、勉強へ「釣る」アプリとしては有効。
LINEより信頼度が高い面もあるゴルスタ
出典 ゴルスタ(アプリ画面)
先日、LINEのグループトークが発端で、一橋大生が自殺したばかりです。過去にも、例えば下のような事件があります。
2015年2月 川崎市の中1男子生徒(13)が、LINEで不良仲間に呼び出されて犠牲に。
2013年10月 広島県でLINEのメッセージを無視したとされるトラブルから、通信制高校生(19)が川に突き落とされる。
2013年7月 奈良県の中1の女子生徒(13)がLINEに悪口を書き込まれた後自殺(因果関係は立証に至らず)。
2013年6月 広島県で前夜のLINE上の喧嘩が発端となり、高等専修学校の女子生徒(16)が、男女7人に暴行され犠牲に。
2013年1月 小6女子がLINEで知り合った22歳の男性に関係を強要される(既遂)。
これらの事件は、LINEがなければ、ほかのSNSが代替しただけだという指摘も理解できます。
しかし、ツイッターはマンツーマンのコミュニケーションであり、大荒れしにくい要素があります。メールも同様です。(中高生は使いませんが)フェイスブックも、やり取りを衆人が監視する仕組みがあります。
集団心理による暴走が起きやすい、グループでのトークの機能を持ち、かつ監視体制がない唯一のSNSがLINEです。これは、例えば金持ちが地下室を近所の中高生に24時間開放し、監視しないのと似た状況です。
ゴルスタは、この状況を何とかしようとしていた節があります。
・変態、わいせつな内容の投稿禁止
・出会い目的の利用禁止
・相手を傷つける言葉の利用を禁止
この規定を遵守させるために、24時間の監視をしていたという話もあります。規定を遵守させるための罰則は、学校が行う退学措置や違反者の掲示と瓜二つなのが、ちょっと面白いところです。
まとめ きもっ!ゴルスタ運営と母体の森塾 超きもっ!と吐くその前に
いかがでしたでしょうか。先入観を捨てて、冷静に森塾とゴルスタを分析していくと、極悪とまでは言えないことが、わかってきます。
① 会員の運営批判に対し、再三の「反省文」提出や警察への通報予告で恫喝。
② 運営批判した中高生の本名を、懲罰としてツイッター上に流出(根拠)。
荒れた中学校の雰囲気を思い出してください。①にある反省文を課すことは、ありえるでしょう(何度も書かせるのは行き過ぎ)。しかし、警察への通報予告は、行き過ぎで、②は違法性があり即アウトです。しかし、ゴルスタの全体構成は、(1)中高生に勉強の契機を与える。(2)コミュニケーションの機能では、いじめや出会いとしての利用を防ぐ、というような趣旨が感じられます。運営担当者の個人的な異質の問題のみが認められます。
もちろん、会社としての指導監督責任は重大ですが、「運営者個人は嫌いになっても、ゴルスタは嫌いにならないでください」と、反省し改善する姿勢が見られるなら、このアプリに対し、世の中はもう1度チャンスを与えるべきではないかと思います。
(^^)/ じゃーな