[スペシャルインタビュー]
「野球は素晴らしいコンテンツ。しっかり収益を上げられるようにしたい」――南場智子(横浜DeNAベイスターズオーナー)
2015年7月17日
プロ野球史上初の女性オーナーとなった南場智子氏。野球に大きな感動をもらったことが幾度かあり、小さい頃読んだ、広島カープの高橋慶彦選手をモデルにした村上龍氏の小説『走れ!タカハシ』が「マイ・ベストブックの1つ」という。インタビューを通じて野球に対する熱い思いが伝わってきた。
やっぱり球団を持って良かった
南場智子(なんば・ともこ)新潟市生まれ。1986年、津田塾大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。99年同社を退社後、ディー・エヌ・エー(DeNA)を設立。2011年、社長兼CEOを退任し取締役となる。15年1月、横浜DeNAベイスターズ球団オーナーに就任。同年6月DeNA取締役会長に就任。
―― ベイスターズを買収した2011年当時は、球団を持つことに慎重でしたね。
南場 そうですね。大反対ではなかったですが、「えー」みたいな。ウチは派手なことをあまりする会社ではないので。
―― とはいえ、DeNAは目立つ会社だと思うんですが。
南場 意外と経営は堅実なんですよ。本業をしっかりと堅実にやるというポリシーからは、ちょっとジャンプしている感があるなと思ったのは確かです。
―― 現在、その認識は変わりましたか。
南場 やっぱり球団を持って良かったと思います。まず会社の知名度が上がりました。私たちは消費者向けにサービスを提供しているので、知名度はすごく大事。いろんな意味でのPR効果、マーケティング効果になっていると思います。
もうひとつは生身のユーザーを目にする機会が増え、会社として大人になるというか、地域経済への貢献など、要するに社会との接点が増えたということですね。社会の中でのDeNAの在り方というのを、今まで以上に考えられるようになったと思います。
―― 球団経営に関して、親会社は広告宣伝費と割り切って赤字でも気にしない風潮が野球界にはあったと思います。その点についてはどう考えていますか。
南場 球界全体の認識については分かりませんが、プロ野球それ自体で産業として成り立つようにするのが重要だと思うんですね。野球という最も人気のあるスポーツにおいて、それ自体で経営が成り立たないのは良くないです。所詮スポーツってそういうものだと思われてしまいます。
スポーツはコンテンツとしても最高ですし、素晴らしいものですから、しっかりと収益を上げる仕組みにしていくことは重要です。
―― 野球との接点は昔から結構あったのですか。
南場 はい、テレビで毎日見ていました。わが社が球団を持つようになってからは相当スタジアムに足を運ぶようになりましたし、昨年はキャンプにも行きました。
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