全国の医療事故報告件数 3300件余と過去最多

全国の医療事故報告件数 3300件余と過去最多
全国の医療機関から去年1年間に報告された医療事故の件数は3300件余りで、これまでで最も多くなったことが日本医療機能評価機構のまとめでわかりました。
医療事故の分析などを行っている日本医療機能評価機構によりますと、大学病院など全国の主な医療機関275施設から去年1年間に報告された医療事故は3374件でした。これは、おととしより463件多く、平成16年に調査を始めてから最も多くなりました。
報告された内容では、投与する薬や量の間違いや、体内へのガーゼの置き忘れなどが目立つほか、患者を取り違えて手術をしてしまったケースもありました。また、因果関係はわからないものの、患者が死亡したケースはおととしよりも81件増えて306件に上りました。
このほか、医師や看護師などが重大な医療事故につながりかねないと感じた、いわゆる「ヒヤリ・ハット」の事例も全国の586の医療機関で合わせて78万件を超え最多となりました。
報告件数が増えていることについて日本医療機能評価機構は、「医療事故を報告して、再発防止に生かさなくてはならないという意識が、医療機関の間に定着してきたのではないか。医療界全体が患者に信頼してもらえるよう、さらに報告の徹底を求めたい」と話しています。