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 インターネットを通じて古書を売買する「バリューブックス」(長野県上田市)は、ネット販売の古本会社としては国内で最大級で、市内3カ所の倉庫に200万冊近い在庫を持つ。

 市内の高校出身の中村大樹社長(33)が東京の大学を出た後、24歳で設立した。読み終えた学生時代の教科書や、中古書販売大手のブックオフで安く買った古書がネット通販のアマゾンで高く売れることに着目。高校の同級生らと会社を立ち上げた。

 現在は約20人の社員のほか、倉庫で仕分け作業に従事するアルバイトが300人近くいる。直近の年間売り上げは16億円。創業以来、順調に売り上げを伸ばすことに貢献しているのが、古本を買い取った際の買い取り価格をNPOや自治体に寄付してもらう仕組み「チャリボン」だ。

 通常の取引は、本やDVDを査定し、買い取り額を提供者の口座に振り込む。

 チャリボンでは提携するNPOなどをサイトで紹介。その中から寄付したい団体を申込時に決めてもらう。バリュー社は査定額を決めた後、提供者が指定した団体にお金を振り込む。

 出品は原則5点から。電話かサイト上で申し込むと宅配業者が取りに来てくれる。提供者は送料もいらず不要本を引き取ってもらえ、寄付ができる。仕組みを導入したのは6年前。若者の就労支援に取り組むNPO法人「育て上げネット」(東京)の工藤啓理事長(39)との話し合いからアイデアが生まれた。

 工藤さんは「本の仕入れを増やしたい企業と、処分したい利用者を寄付でつなぐ。我々は活動資金が増えるから、この仕組みを宣伝する。三方よしです」。育て上げネットにはチャリボンで、これまで800万円超の寄付があった。

 バリュー社はもともと、廃棄本…

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