マンション分譲などを手がけるユニホー(名古屋市)は、首都圏で団地の再生事業に乗り出した。築年数の古い集合住宅を仕入れ、割安な価格で再販売する。販売中の千葉市内の団地は200万~300万円台が中心だ。経済的に苦しい若年層などに住まいを提供するとともに、高齢化に悩む団地に新しい住民を呼び込み活性化する。
ユニホーは2014年末に、NTT東日本が社宅として使っていた集合住宅を落札。東京と神奈川、千葉の1都2県にある8カ所約千戸を、15年4月に約23億円で取得した。
ユニホーは仕入れた団地を消費者に再販売する。一部を除いてリフォームはせず、そのままの状態で販売する。価格を抑えるとともに、入居者が好みの内装にリフォームしやすくする。
団地の傷み具合や、地域の需要によっては建物を壊して更地にし、戸建て住宅などを建てる。仕入れた8カ所の集合住宅は、集合住宅のまま約220戸を販売する。このほかは戸建てを自社で建てたり、用地を別の住宅事業者に売却したりする。
今春から千葉市花見川区の物件の販売を始めた。鉄筋コンクリート造の地上5階建て3棟(計110戸)のうち、まず1棟(50戸)を売る。
間取りは3DKで約55平方メートル。築48年と古くエレベーターもないため、販売価格は1戸あたり170万~380万円と住宅としては格安だ。原則として改装せずに販売し、別途リフォームプランを用意する。
築年数は古いが、仕入れた集合住宅はいずれも地震に強い「壁式構造」と呼ぶ建物。「定期的な大規模修繕や清掃により、目立った傷みは少ない」(ユニホー)という。建物間の緑地帯が広いのも特長だ。
同区内の別の場所に建つ築42年の集合住宅2棟(340万~620万円)は既に完売した。