こんな記事が出ていたので取りあえず…。一応、著作権の資格を持っている人間として、解説だけしときます。参考までに。
●ホリエモンがハイエナアフィリエイターに憤怒。「俺のスピーチを勝手に書き起して儲けるな」
堀江貴文さんが近畿大学でスピーチを行ったんですよね。わずか16分のスピーチで、文句なしに素晴らしい内容なんですけれど、その…「全文を書き起して」記事にしているサイトが目立つ、と。
ここでポイントは堀江さん自身がツイッターにも明かしているんですが…
・そもそも近畿大学にユーチューブで流すと、事前に聞いていなかったこと
・書き起しの掲載に際して一切の許諾申請がないこと
を挙げられています。これに対して記事中では
「ホリエモンこと堀江貴文氏がこれまでグレーゾーンだったアフィリエイト目的の動画書き起こしに苦言を呈した」
「ビジネス界の大物が「今後は警告に留めず、厳しくやる」と明言したことで今後は動画書き起こしのルールが変わりそうだ。どうしても紹介したい場合は引用の範囲を超えないように気をつけるべきだ。」
と記しているんですが…いやいやいやいや(苦笑)。これはちょっと認識が全然間違っていましてですね…
●今回のケースは単に完全にアウトです
まず、皆さんもちょっと意外な感じがするかもしれないんですが、著作権法の2条の18項ってのがありまして、そこに明記されてるんですけれど、
「講演会とかで話した内容=著作物」
なんです、変ですよね?でもそう決まってるんです。本とか、ネットの記事とかだけじゃないんです。講演会などで話した内容は、その場で報酬を得た上で発している言葉なんです。モノなのか?という疑問は置いといて、講演会での話した内容や動画、すべては知的財産である「著作物」として定義づけられています。
なので、今回のケースに関して言えば、最初の段階でお断りを堀江さんに入れていない段階で、ユーチューブをアップした近畿大学も、そのコメントを拾って全文掲載したサイトも…
完全にアウトです。記事にあるように「もともとグレーゾーン」とかではありません。完全まっ黒です(笑)。まぁ堀江さんなら怒らないだろうってだけの話です。
●じゃあどうやって紹介すればいいのか?
では、本当に感動した場合、どうやって紹介すればいいのか?なんですけれど、まずは
「本人の許諾」
を取ることが条件になります。著作物にはいろいろな権利があって、今回で言うと、堀江さんが著作権者に該当しますので、堀江さんに「公表権(=18条)」や「公衆送信権(=23条)」っていう権利があるんですね。堀江さんが許可すれば、インターネットを使っての送信=公衆送信も認められます。逆に許可もなくネット上に上げると完全に違反になりますので気を付けてください。
でも、どう頑張っても許諾なんて取れないこともありますよね?相手が海外にいたりとか。
そんな時はまず…
・個人的に使う=これはですね、全く問題ないです。個人的であればね。著作権法30条に書いてあるんですけれど、何の利益目的でも何でもない場合は、許可はとらなくても問題ないと思っておいてください。
・ネット上に記事として公開する=この場合は32条に記載されている「引用」っていう条項が該当するんです。報道や批評のために、あくまで「参考」として活用する場合は認められます。これらの場合に関しては
「記事全文の中の3分の1以内に収めましょう」
ここだけ抑えておけば、一応は大丈夫、というのが通説となっています。
要は、ものすごーく感動しましたよ、と。
で、その「参考」として、堀江さんの「この文章」と「あの文章」がよかったんだけれど、それに対して自分はこう思ったんですよ、と。
全文の中で、引用した堀江さんの文章が「3分の1」以内であれば、その著作物は、堀江さんの文言のコピペなのではなく、「あくまで自分の意見を発信した著者の著作物であり、その著者の意見を構築するための参考意見」として認められるんです。
●意図が捻じ曲げられたら?
もう一点だけ。
堀江さんのツイッターの中にもありましたけれど、僕とか堀江さんがよくやられるのがこれです。勝手に「長谷川は~言ってるんだけれど…」とか言いながら、勝手に一文だけを抜き出して、全然違う意味として書き出した挙句「だから長谷川はバカだ」とか言ってる頭スッカラカンの人も少なくないんですけれど、こういうのはですね…
「著作人格権の侵害」
っていう行為に該当するんです。また、勝手に内容を改ざんしたり、切るべきところで切らずに書き起したりしてる行為は「同一性保持権」や「翻案権」という、ちょっと難しい言い方をするんですけれど、とにかく著作権違反の行為となります。こうなると「引用」は適応されません。単に、著作者の人権侵害になるので、引用をする場合はその内容をしっかりと吟味して、内容をちゃんと捉えた上で自身の意見を述べるのがいいと思います。
まぁ、ブロゴス上ではこの「著作人格権の侵害行為」は乱発されているんだけれど、僕などはほったらかしにしていますが、一応は、訴えられたら完全に負けるレベルのものって結構あったりします(笑)。皆さんもブログなどを書く場合は気を付けましょうね。
●ホリエモンがハイエナアフィリエイターに憤怒。「俺のスピーチを勝手に書き起して儲けるな」
堀江貴文さんが近畿大学でスピーチを行ったんですよね。わずか16分のスピーチで、文句なしに素晴らしい内容なんですけれど、その…「全文を書き起して」記事にしているサイトが目立つ、と。
ここでポイントは堀江さん自身がツイッターにも明かしているんですが…
・そもそも近畿大学にユーチューブで流すと、事前に聞いていなかったこと
・書き起しの掲載に際して一切の許諾申請がないこと
を挙げられています。これに対して記事中では
「ホリエモンこと堀江貴文氏がこれまでグレーゾーンだったアフィリエイト目的の動画書き起こしに苦言を呈した」
「ビジネス界の大物が「今後は警告に留めず、厳しくやる」と明言したことで今後は動画書き起こしのルールが変わりそうだ。どうしても紹介したい場合は引用の範囲を超えないように気をつけるべきだ。」
と記しているんですが…いやいやいやいや(苦笑)。これはちょっと認識が全然間違っていましてですね…
●今回のケースは単に完全にアウトです
まず、皆さんもちょっと意外な感じがするかもしれないんですが、著作権法の2条の18項ってのがありまして、そこに明記されてるんですけれど、
「講演会とかで話した内容=著作物」
なんです、変ですよね?でもそう決まってるんです。本とか、ネットの記事とかだけじゃないんです。講演会などで話した内容は、その場で報酬を得た上で発している言葉なんです。モノなのか?という疑問は置いといて、講演会での話した内容や動画、すべては知的財産である「著作物」として定義づけられています。
なので、今回のケースに関して言えば、最初の段階でお断りを堀江さんに入れていない段階で、ユーチューブをアップした近畿大学も、そのコメントを拾って全文掲載したサイトも…
完全にアウトです。記事にあるように「もともとグレーゾーン」とかではありません。完全まっ黒です(笑)。まぁ堀江さんなら怒らないだろうってだけの話です。
●じゃあどうやって紹介すればいいのか?
では、本当に感動した場合、どうやって紹介すればいいのか?なんですけれど、まずは
「本人の許諾」
を取ることが条件になります。著作物にはいろいろな権利があって、今回で言うと、堀江さんが著作権者に該当しますので、堀江さんに「公表権(=18条)」や「公衆送信権(=23条)」っていう権利があるんですね。堀江さんが許可すれば、インターネットを使っての送信=公衆送信も認められます。逆に許可もなくネット上に上げると完全に違反になりますので気を付けてください。
でも、どう頑張っても許諾なんて取れないこともありますよね?相手が海外にいたりとか。
そんな時はまず…
・個人的に使う=これはですね、全く問題ないです。個人的であればね。著作権法30条に書いてあるんですけれど、何の利益目的でも何でもない場合は、許可はとらなくても問題ないと思っておいてください。
・ネット上に記事として公開する=この場合は32条に記載されている「引用」っていう条項が該当するんです。報道や批評のために、あくまで「参考」として活用する場合は認められます。これらの場合に関しては
「記事全文の中の3分の1以内に収めましょう」
ここだけ抑えておけば、一応は大丈夫、というのが通説となっています。
要は、ものすごーく感動しましたよ、と。
で、その「参考」として、堀江さんの「この文章」と「あの文章」がよかったんだけれど、それに対して自分はこう思ったんですよ、と。
全文の中で、引用した堀江さんの文章が「3分の1」以内であれば、その著作物は、堀江さんの文言のコピペなのではなく、「あくまで自分の意見を発信した著者の著作物であり、その著者の意見を構築するための参考意見」として認められるんです。
●意図が捻じ曲げられたら?
もう一点だけ。
堀江さんのツイッターの中にもありましたけれど、僕とか堀江さんがよくやられるのがこれです。勝手に「長谷川は~言ってるんだけれど…」とか言いながら、勝手に一文だけを抜き出して、全然違う意味として書き出した挙句「だから長谷川はバカだ」とか言ってる頭スッカラカンの人も少なくないんですけれど、こういうのはですね…
「著作人格権の侵害」
っていう行為に該当するんです。また、勝手に内容を改ざんしたり、切るべきところで切らずに書き起したりしてる行為は「同一性保持権」や「翻案権」という、ちょっと難しい言い方をするんですけれど、とにかく著作権違反の行為となります。こうなると「引用」は適応されません。単に、著作者の人権侵害になるので、引用をする場合はその内容をしっかりと吟味して、内容をちゃんと捉えた上で自身の意見を述べるのがいいと思います。
まぁ、ブロゴス上ではこの「著作人格権の侵害行為」は乱発されているんだけれど、僕などはほったらかしにしていますが、一応は、訴えられたら完全に負けるレベルのものって結構あったりします(笑)。皆さんもブログなどを書く場合は気を付けましょうね。
コメント
コメント一覧
著作権法の2条の18項は、この法律で言う「口述」という用語は、こういう意味ですよと説明してるだけで、「講演会とかで話した内容=著作物」とは言ってませんね。
ちなみに、「口述」とは、 朗読その他の方法により著作物を口 頭で伝達すること だそうです。
肝心の著作物の定義は、
思想又は感情を創作的に表現したも のであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲 に属するものをいう。 だそうです(著作権法の2条の18項。)。
こうしてみると、やはり、ホリエモンのスピーチは本当に著作物になるのでしょうか?と言う気になってきました。か
私大すげーってかんじです。
卒業式できれいな声のお姉さんが司会して、ホリエモン呼んで、でっかいスクリーンで写してるよって思いました。
卒業式というと、寒々しい体育館でブルーシートの上にパイプいすが並んでて、ハゲたおじさんたちのつまらない話を延々と聞くイメージだったので驚きました。
ところで、著作権のお話、講演会ってどういう定義なんでしょう?今回のケースは、来賓のメッセージですが、該当するのでしょうか?
YouTubeの動画では、近大の魅力向上につながっていると思いますし、実際、宣伝目的で編集されていると想像できます。
ただ、流してるのはあくまでも自校の卒業式の風景。
気分的には近大がホリエモンにもう少し配慮すべきだったのでしょうが、仮に裁判で争った場合、どういう別れになるのか、気になります。
あれは、製作者に承諾もらってるのでしょうか?
前にスーパーに陳列された菓子に爪楊枝を混入した少年の動画をニュースで目にした時から疑問です。
情報を取ってくるメディアの利益が守られないとメディアは育ちませんし、守られるべきだと思いますから。
一方で、例えば上杉隆さん(週刊文春編集部)と安倍総理のやりとりのようなケースは著作権的にはどうなるのでしょう。
http://www.s-abe.or.jp/topics/weeklyissues/326
自身の著作物が未公表のものであることを理由にHPでの抗議目的の引用を制しています。
安倍さんは記事で週刊文春編集部の誹謗中傷を主張していますから、お互いの権利がぶつかりあっているようにも思えるのですが。
2chなどの掲示板やblogosコメント欄で行われている引用というのは、結局のところこういったケースの延長線上の物も多いのではないのでしょうか?
それとは別に、彼が大学で公演する時…犯罪歴などは紹介するんですかね? 少なくともあの犯罪で何らかの影響を受けた人…不利益な境遇に陥った人もいたと推察されますが~刑に服してるときもネット発信してたとか…本を出すなど…自分はそうしたことや彼の発言に不快感あります!! さすがに…竹島をあげちゃえ発言には呆れました。
自民党が、報道ステーションの件で、テレビ朝日の方を呼び出した、というニュースを観ました。
長谷川さんは、どう考えますか?
問題ないと思われますか?
もし機会があればコメント頂きたいです。お忙しいから難しいでしょうけどね。
お仕事&パパ業、頑張って下さい。
寒い日が続いているので、お体気を付けて下さい。
ただ、自分が観に行けなかったライブについてはリポートや動画(おそらく無断で掲載されているもの)をついつい見てしまいます…。良くないですね。反省致します。こういう行動が助長してしまうんですよね。
って、それは、新聞社やテレビ局がニュースでやってることですよね。
また、せっかく書くのであれば、
>” 著作権法の2条の18項”
> 「講演会とかで話した内容=著作物」
などど呼び方(条、項)を変えたり、曖昧な表現をしない方が値打ちがあると考えます。
# 長谷川さんは、言葉や表現を生業にされておいでなので、尚更かと考えます。
報酬の有無は「著作物」の定義と関係なくないですか?
どうみても批判目的よりマンガのカットを使い回した商売目的でした。
最近ではテレビ局でも、他局のドラマの映像借りて流してますけど、頼んでいるのは間違いないですが、お金は発生しているんでしょうか。
たまにアフロとかアマナを使う身としては写真も有料が当たり前な感覚なんですが、そういったことを理解していない人が多いですよね。
日本人は目に見えないものに価値を認めなさすぎですね。
日本人も著作権に対する認識は低すぎる。
「知的所有権」を声高に主張しているアメリカから、著作権侵害だ!巨額の賠償金請求が来たら、きちんと支払えるのか?
雑誌の画像を写メに撮ってブログにアップするときは、ページ全体の3分の1から4分の1以内におさえればいいんでしたっけ?(・ω・)
アイデアや著作物、音楽などに力を入れている人が保護される世の中のほうがいいですよね。
そういう意味でYouTubeは私のなかでは昔から不思議な存在です。違法じゃないのかな~と思ってました。