北陸新幹線の現終着駅である金沢より2駅東京側。富山駅を擁する富山市で、己のリビドーをカンバスにぶちまけ続けている若き美術家がいる。牧田恵実(1991年富山県生まれ富山市在住)だ。
牧田恵実/作
牧田の作品を目の前にすると、地獄が現世にはみ出しているような印象を受ける。それは日本の“賽の河原”のような牧歌的なものではなく、どちらかと言えば“カタストロフィ”のような破滅的なパワーである。
自己嫌悪
真っ赤な荒野に叫び続けるスチームパンク風な女性。豊穣な大地に林立する奇妙なまでに巨大なバオバブ。静謐な空に佇む羽根の生えた女天使(しかし股間には屹立する陰茎がある)など、「本当に世界のどこかに存在しているのでは?」と思わせるような不思議な生命力が牧田の作品には溢れている。
富山の純朴な少女が如何にしてこのような作品を生み出すようになったのだろうか?