反安保法制報道のデタラメを知るには、慶応大学教授の細谷雄一が書いた『安保論争』も面白いね。「戦争への道」と煽った朝日新聞は、２４年前のＰＫＯ協力法反対で大騒ぎしたのと同じだと書いている。まったくその通り。日本のＰＫＯは、いまや重要な国際貢献で、評価されているんだから。

　女史　ウチらが言っていることと一緒じゃん。なんで、正論に出てもらわないの？

　編集者　…。

　先生　頼んでみればいいかもよ。細谷は頭も良いんだけど、ただ、日本が一方的に悪いことをしたという外国の偏見を否定できない外務省のリベラル路線から離れられないみたいだよな。

　教授　日本という国家と歴史、伝統を重んじる正論に、学者が近寄りにくいという傾向があるとしたら、それは残念ですね。

■朝日サマは国民投票はお嫌いなのですか？

　編集者　英国の国民投票で、ＥＵ離脱派が勝利しましたが、朝日新聞７月５日付朝刊が国民投票を改めて考え直していましたね。個々の政策の是非を「国民投票」に問う直接民主主義のマイナス面を検証していました。

　教授　朝日新聞は、かつて原発建設や米軍基地問題で住民投票をやるべきだと直接民主主義を煽っていました。英国の国民投票が意に沿わなかったからといって、コロッと変わるのは卑怯です。

　女史　ＥＵ離脱派は低学歴だという印象の報道だったし、自分たちの意見に合わない世論を見下すところが、なんとなくあるよ。

　編集者　ただ、ＥＵ問題で言うと、英国の地方に住む労働者などに離脱派が多かったという論評は事実ではないですか。

　先生　ＥＵの中で既得権益を持つ人たちは残留派が多いんだよ。現状で潤っていれば、現状を変えたくないに決まってる。しかし、多くの人がそうではなく離脱派だったということが、フタを開けてみたら分かった。日本の大手マスコミはみんな、どちらかというと残留というトーンで報道していたが、英国民の本音をヨミきれなかったということだよ。

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