検察の取調べを受けた韓国の企業経営者はなぜ自殺するのか

検察の取調べを受けた韓国の企業経営者はなぜ自殺するのか

 26日に自殺したロッテグループ政策本部長で副会長の李仁源(イ・インウォン)氏以外にも、検察の事情聴取後に自ら命を絶った企業関係者は決して少なくない。昨年は建設・開発会社「京南企業」前会長の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が北漢山で自ら命を絶った。成氏は海外での資源開発で不正にかかわったとして取調べを受けていたが、彼が自殺したのは裁判所による令状審査が行われる数時間前だった。成氏のポケットからは与党議員8人の氏名と金額が書かれたメモがみつかり、また成氏が生前、彼らの違法な政治資金を提供したと暴露した音声テープも公開され、当時は非常に大きな政治問題となった。

 2003年8月には現代峨山の鄭夢憲(チョン・モンホン)会長がソウル市中区の現代グループビル12階から飛び降り自殺した。鄭氏は北朝鮮に違法な形で資金提供を行ったとして特別検察の取調べを受け、また現代グループの裏金問題でも大検察庁(最高検察庁に相当)中央捜査部から3回にわたり事情聴取を受けていた。鄭氏は家族や現代グループの役員らに遺書などは残していなかった。

 2004年には大宇建設社長の南相国(ナム・サングク)氏が自殺した。南氏は故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の兄・建平(コンピョン)氏に人事での口利きを依頼したとして取調べを受けていたが、この事実を盧元大統領が会見で公表したことが自殺の原因だった。14年には韓国鉄道施設工団理事長だった金光在(キム・グァンジェ)氏が自殺した。金氏は湖南高速鉄道建設工事の納品業者選定に影響力を行使したとして事情聴取を受けていた。11年には貯蓄銀行による不正に対する捜査が行われる過程で、3人の関係者が自殺している。

 このように企業経営者や官僚らが事情聴取や取調べを受けた直後に自殺するケースが多い点について、複数の識者は「生涯かけて積み上げてきた実績や名誉が失われることへのショックを受け止めきれないためではないか」と分析している。たとえば京南企業前会長の成完鍾氏は自殺前「なぜわたしが取り調べを受けなければならないのか」と悔しそうに語っていた。また自分が犯罪容疑者となることが受け入れられない時や、検察での事情聴取の際に受ける侮辱や圧迫に耐えきれず自殺するケースも多いようだ。

キム・アサ記者
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