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第22話 究極の地図製造
リビングでは奥義書を《発動》した二人がへばっていた。
アリスはやや怠そうくらいで済んでいたが、ステラに関しては腰砕きの状態で一歩も動けなくなってしまっていた。
仕方がないので僕が彼女を部屋まで運んだ。お姫様抱っこで運んだせいか、ステラの顔はホオズキのように赤くなっていた。
そして僕は今工房へ訪れている。いくつか造りたいものがあるからだ。
その前に作業効率を上げたい。《思金神》について解析する。
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【思金神】
★説明:五感も認識しえる高性能な人工知能。
スキル所持者と眷属の魔術・スキルの管理、眷属の所持スキルの進化、スキル所持者・眷属のHP・MPの回復等を最適なタイミング・最適な方法で行う。
・《偵察・造形》:糸を飛ばし周囲を探知、情報を取得する。糸でかりそめの肉体を造り出すことも可能。
・《電子化》:自己を記号化し電脳世界上へ移動し情報を操作する。
・《並列処理》:複数の事象を並列処理することが可能。
・《超高速処理》:一般人の数千万倍の思考処理速度を有する。
・《相談》:発動者の相談に乗ることが可能。
・《独自処理機能》:一度命令を受託すると独自の判断で発動者の最良の結果に向けて判断・行動することが可能。
★LV6:(――)
★ランク:混沌
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(《偵察・造形》、《電子化》、《相談》、《独自処理機能》。これらはすべて、現代科学、現代魔術では不可能な事ばかりだ。
何気なく造ってしまってたけど混沌というのは存外チート能力らしい。
《相談》というのがあるようだし、これを使用して色々具体的にできることを聞いてみる?)
「思金神。今大丈夫かい?」
《はい。マスター。御用件を!》
(ホントに話せるようになっとる……どこまで進化すんのよ)
「ステラとアリスの在留資格取得の件はどうなってる?」
《ステラ・ランバート、アリス・ランバートの在留資格取得の件は現在処理中です。
もう少しお待ちください》
「了解。
取り敢えず次の指示をしてもOK?」
《問題ありません。マスター》
「僕は今日、異世界アリウスのグラムでギルドハウスを買った。
ここに現代科学、魔術双方の観点から最高の魔術師の拠点を造りたい。
できる?」
《不可能です。ただし今のままではという条件を付しておきます》
「だろうね。どうすればできる?」
《私に全てを任せていただけるなら可能です。マスター》
「ああ、その件につき君に全権を委ねるよ。
……そうだね。この際だ、君の権限もはっきりさせておこう。
スキルや魔術も増えて来たし全部僕が処理するのは不可能だ。僕と眷属達の魔術・スキルの管理は全て君に任せる」
《それは私が独自に魔術・スキルを開発してもよろしいということでしょうか?》
「そう。文字通り魔術・スキルは全て君に任せる。
だけど事後報告だけはしてね。
僕はこの地球の暦で水曜日から日曜日まで迷宮探索で忙しくて魔術やスキルの確認をしている暇はない。
だから毎週の日曜日の夜寝る前にでも僕に報告してよ」
《了承しました》
「君の目的遂行に僕らの行動が必要ならいつでも言って欲しい。
すぐに処理する」
《了解です。マスター》
「早速、一つ頼みたいんだ。
自動マッピング機能付きの魔術道具の開発について。
欲しい機能は以下。
◇1:歩くだけで自動的に認識しマッピングする。
◇2:マッピングした場所は映像でいつでも見れるようにしてほしい。タブレットのようなものが好み。
◇3:以前1メートルほど指輪の転移がずれていた。壁に転移したら死にかねないし、転移の機能も付けてほしい。
◇4:死体から紅石を取る時間が勿体ないので自動的に紅石を採取してほしい。素材、食材やラーニングのための肉片も採取できれば尚可。
◇5:僕らのチームが歩いた場所を集計して1つのマップにしたい。ちなみに仲間は今後増える予定。
以上、お願い」
《了承。銀板を作成します。よろしいですか?》
「いいよ。君の能力は確かだ。信頼しているよ」
《……お褒めいただき感謝いたします。マスター》
「へ~、君も感謝するんだね。それとも社交儀礼かな?
まあ、いいか。銀板だしてよ」
銀板がゴロンと僕の目の前に出現する。
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【万能地図】
★以下の材料が必要。
・ランクAの紅石かつランクBの紅石が3個かつランクCの紅石が15個。
・鉄5kg
・銅4kg
・鉛1kg
・アルミニウム100g
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これを作成した結果、タブレット1個ができた。
次がタブレッドを解析した結果だ。
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【究極地図】
★説明: 大気中の魔力を用いて歩くだけで自動的にマッピングされる地図の作成。
重要機能。
・《自動マッピング機能》:各指輪装着者が歩く場所の情報を読み取りタブレットに自動入力する。
・《紅石自動入庫機能》:指輪装着者の視覚情報を自動解析しそれが魔物なら撃破と同時に紅石をタブレット内の《紅石倉庫》に自動入庫させる。
・《ラーニング物自動入庫機能》:自動解析した結果、撃破した魔物が魔術やスキルを持つ場合は《ラーニング倉庫》に入庫させる。
・《食材自動入庫機能》:自動解析した結果、撃破した魔物が食材となり得るなら《食材倉庫》に自動入庫させる。
・《素材自動入庫機能》:自動解析した結果、撃破した魔物に武具や魔術道具の素材となり得る部分があれば《素材倉庫》に自動入庫させる。
・《映像機能》:指輪が大気中の魔力を用いて画像録画魔術道具を作成し、それを一定間隔で配置する。その結果タブレッドで一度訪れた場所をリアルタイムで確認できる。
・《地図転移機能》:タブレット内のマップの画像で転移したい場所に転移する。
・《指輪製造機能》:大気中の魔力を利用して究極の地図の指輪を製造する。
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さて、恒例の性能実験だ。
タブレットの《指輪製造機能》の項目をタップする。
製造する指輪の数、所持者の名前、指輪の色の入力項目があるので、数は3、所持者は紫が僕、ステラが赤、アリスが青を入力する。
3つの指輪がタブレットの上にコロンッと転がる。
指輪を装着し迷宮の50階層へ転移し、暫し49階層を歩き回り再び屋敷の工房に転移する。
《映像機能》の項目をタップすると、《地球》と《アリウス》の項目がでる。《アリウス》の項目をタップする。
《終焉の迷宮》のみが表示されるのでこれもタップ。
《地下49階層》と《地下50階層》と出るので《地下49階層》をタップ。
タブレットに49階層で僕が歩いた略図が映し出される。
その略図の一部分をタップすると、リアルなビデオ映像に置き換わった。あとはタップやスクロールで進行や方向転換していく。
最後が転移だ。画像の上の方に《キョウヤ――転移》のマークがあるので、それをタップすると点滅する。そして次に転移したい場所の画像に指で2回タップすると転移した。
少し操作は面倒だが使えるのは間違いない。
魔術・スキルの開発は思金神に一任した。僕は月曜日の夜に自身の能力を確認するだけよい。
もうやるべきことは兄さんの《錬金術》と《呪術》の本を読むことくらいだ。
自室にこもりただ黙々と読み、床に就く。
お読みいただきありがとうございます。
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