【ジュネーブ=原克彦】イタリアの当局は25日午後、同国中部で24日未明に発生した地震による死者が241人になったと発表した。伊ANSA通信によるとレンツィ首相は25日午後6時(日本時間26日未明)に緊急閣議を開き、被災地を対象に非常事態を宣言する。支援に向け国の緊急対応基金から2億3400万ユーロ(約260億円)を拠出する方針だ。
被災地では倒壊した建物のがれきに埋もれた人々の救助活動が続く。報道によると2009年に同国中部ラクイラで起きた大地震で地震発生から72時間後に生存者が救出されたことがあるため、27日未明までは生存者の捜索が続く見通し。
地震発生から30時間の間に約470回の余震があり、大きいものではマグニチュード(M)が5.4に達した。一部は被災地から150キロほど離れたローマでも揺れを感じたという。
被害が大きかったアマトリーチェやペスカラ・デル・トロントなどでは約1200人が避難用のテントで夜を過ごした。当局は3400人分を準備しているという。
アマトリーチェの人口は3千人程度だが、週末に祭りを予定していたこともあり、ローマなどから多くの観光客が訪れていた。ラクイラ地震など過去の教訓が生かされず、多くの建造物が耐震基準を満たしていなかったことが問題視される可能性がある。