脳内神経回路を構築 免疫細胞の働き解明
生理研発表
脳内の死んだ細胞や老廃物を除去する機能を持つ免疫細胞「ミクログリア細胞」が、神経の発達期には神経回路を作る働きがあることを自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)などのチームが明らかにした。将来的には脳内の神経回路の異常が原因となる病気の治療につながる可能性があるといい、25日付の英科学誌(電子版)に掲載された。
チームは、脳内の神経回路が活発に作られる生後8〜10日のマウスで実験。特殊な顕微鏡を用いて、マウスが生きたまま、思考や認知をつかさどる脳の一部、大脳皮質を観察した。
実験では、神経同士をつなげる役割の部位「シナプス」にミクログリア細胞が接触することで、シナプスの数が増えていることを確認。遺伝子操作でミクログリア細胞の数を半分にしたマウスでは、シナプスの数も約4割減少した。
別の実験では、発達期にミクログリア細胞を減らしたマウスは成熟後も、神経回路が作られていないことを突き止めた。ミクログリア細胞の神経回路への影響が一時的ではなく、長期にわたることを示す成果という。
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