日本から技術移転や投資を アフリカ諸国から期待の声

TICAD=アフリカ開発会議に合わせてケニアの首都ナイロビでは27日、日本の先端技術を紹介するものなど、さまざまなイベントが行われ、アフリカ側の参加者からは日本からの技術移転や投資に期待する声が聞かれました。
このうち日本の技術力を生かしたインフラ整備について紹介するシンポジウムでは、GPSを駆使して海底トンネルを建設したり地面の震動を抑えながら水道を整備したりする先端技術が紹介され、アフリカ側の参加者からは日本からの技術移転や投資に期待する声が相次いで聞かれました。

また、日本のおよそ100の企業などがブースを設けて自社の製品や技術を紹介する「ジャパンフェア」というイベントでは、沖縄県のメーカーが展示した病院のないへき地を巡回して診療にあたる「モバイル・クリニック」と呼ばれる移動式の診療所に注目が集まっていました。

視察した西アフリカのトーゴ政府の関係者は、「誰もが医療サービスを受けられるようにする素晴らしいアイデアだ」と述べ、関心を示していました。
会場でNHKの単独インタビューに応じた、ケニアのルト副大統領は、「アフリカ各国から首脳を含めた多くの参加者が来ているのは、日本への評価の表れだ」と述べて、TICADの成果に大きな期待を寄せていました。

日本企業に積極的な進出求める

過去10年にわたって10%前後の経済成長を維持しているエチオピアで海外からの企業進出の受け入れを担う、フィツム投資庁長官が27日、TICAD=アフリカ開発会議が行われているケニアの首都ナイロビでNHKのインタビューに応じました。

この中でフィツム長官は、中国と比べて日本からの企業進出が遅れていることに触れ、「日本の課題はアフリカがリスクの高い大陸だという偏見をいまだに持っていることだ。もたついていればそれだけ優位性やチャンスを失う」と指摘しました。

そのうえで「実際には、アフリカに投資した企業は利益を上げているので、みずから来て確かめて欲しい。われわれにとって製造業の振興は優先課題で、技術力のある日本企業に積極的に進出してもらいたい」と述べ、日本企業に対して進出を急ぐよう求めました。