それから4年後、ここは相変わらず土地はあるが人影はまばらで、空き家のままの建物がブラックホールのように蘭州新区の未来を飲みこんでいるように見える。
蘭州新区のマンション価格は1平方メートルあたり4000元(約6万1000円)前後で、蘭州市内と比べると5割近く安いという。だがそれでも新区はやはりマンション購入者を引きつけることができない。
市街地から離れていて不便、というのが蘭州市民の新区に対する第一印象である。都市間鉄道が開通したがそれでも50分ほどかかり、計画中の地下鉄5号線が新区に通じる予定だが具体的な着工時期は未定だ。
蘭州新区の広々とした道路を車で走ると、通行人はほとんど見かけない。まるで巨大な工事現場のように、内部が空っぽのマンションやタワークレーンが到るところに見られ、削られた小山が岩肌をむき出しにし、路傍には建築ゴミが積まれている。夜になると、立退き者用住宅である彩虹城と蘭石集団の従業員用住宅以外、大部分のマンションは真っ暗である。
工業生産額は
当初予想の10分の1
新区で指折りの有名デベロッパーである碧桂園は、城市花園という開発プロジェクトを手掛けたが、現在引くに引けない状況にある。城市花園は2014年に販売を開始し、全697戸のうち買い手がついたのは211戸とたったの3割である。
地元の開発業者はさらに厳しい状況で、新区で販売されている住宅の大部分で販売率が3割前後である。遠東錦繍華府のように、価格が1平方メートルあたり2400元(約3万6000円)で、全634戸のうち36戸しか売れていないところも現れた。価格が1平方メートルあたり8600元(約13万1000円)の朱雀湖別墅はなんと販売数ゼロである。
蘭州新区の今年3月末の統計によれば、新区ですでに完成している住宅面積は約730万平方メートルで、在庫化している分譲住宅は600万平方メートルだという。
低迷する住宅市場は不動産業者に多大な資金的圧力をもたらしている。工事の中止も珍しいことではない。すでに撤退した企業も出ている。
蘭州新区管理委員会関係者が語ったところによると、今後アウトレットなどの複合商業施設が続々と開業予定だが、こうしたプロジェクトもまた同じような運命をたどる可能性があるという。